人材派遣会社設立ガイド|許可要件・費用・手続きを徹底解説|派遣管理システム STAFF EXPRESS

派遣先と派遣元、就業者の情報を一元管理

人材派遣会社設立ガイド|許可要件・費用・手続きを徹底解説

人材派遣会社の設立は
可能――
ただし許可要件の理解と
適切な準備が不可欠です

人材派遣会社を設立して労働者派遣事業を開始するには、厚生労働省が定める許可要件を満たし、都道府県労働局への許可申請を経て、厚生労働大臣の許可を取得する必要があります。

本ガイドでは、人材派遣会社設立に必要な資産要件・事業所要件・派遣元責任者の選任といった許可基準から、会社設立の費用と資金計画、許可取得までの具体的な手順、設立後の運営ノウハウ、さらにはデジタルツールを活用した業務効率化まで、起業を成功に導くために必要な情報を完全に網羅しています。

これから人材派遣業への参入を検討している方は、
まずこのページで全体像を把握し、事業計画の策定にお役立てください。

人材派遣業の基礎知識

人材派遣事業とは何か(定義・仕組み)

人材派遣事業とは、派遣元である人材派遣会社が自社で雇用する労働者を派遣先企業へ送り、派遣先の指揮命令のもとで業務に従事させるサービスです。雇用契約は派遣元と派遣労働者の間で結ばれ、実際の業務指示は派遣先が行うという三者間の関係が特徴です。
この仕組みにより、派遣先企業は必要な時期に必要なスキルを持つ人材を柔軟に確保でき、派遣労働者は多様な職種や職場を経験する機会を得ることができます。

【図解】人材派遣の仕組み 派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係図
人材派遣は「雇用関係」と「指揮命令関係」が
分離する三者間構造が特徴です

労働者派遣事業を営むためには、労働者派遣法に基づき厚生労働大臣の許可を取得することが必須です。無許可で派遣事業を行った場合は、罰則が科されるだけでなく、派遣先企業にも「労働契約申込みみなし制度」が適用されるリスクがあるため、必ず適正な手続きを経て事業を開始しなければなりません。

人材派遣業と人材紹介業の違い

人材派遣業と人材紹介業は、どちらも人材サービスを提供する事業ですが、その仕組みには明確な違いがあります。人材派遣業では、派遣元が労働者を雇用したまま派遣先に送り出すため、雇用関係は派遣元に残ります。一方、人材紹介業(有料職業紹介事業)は、求職者と求人企業をマッチングし、雇用契約の成立をあっせんするサービスであり、紹介が成立すると求職者は求人企業と直接雇用契約を結びます。

可要件にも違いがあり、人材紹介業の基準資産額は事業所あたり500万円以上であるのに対し、人材派遣業は2,000万円以上と大きな差があります。このため、まず人材紹介業で実績を積んでから人材派遣業に参入するという段階的な起業戦略を取る方も少なくありません。

【比較表】人材派遣業と人材紹介業の違い 雇用形態・資産要件・報酬体系の比較
派遣業と紹介業は雇用関係や資産要件に
大きな違いがあります

労働者派遣法の概要

労働者派遣法(正式名称:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)は、派遣労働者の保護と派遣事業の適正な運営を目的として制定された法律です。2015年の法改正により、それまで届出制だった特定労働者派遣事業が廃止され、すべての労働者派遣事業が許可制に一本化されました。

この法律では、派遣期間の制限(同一の組織単位で原則3年)、派遣労働者のキャリアアップ措置の義務、均等・均衡待遇の確保、派遣元責任者の配置義務など、多岐にわたるルールが定められています。人材派遣会社を設立し運営する際には、この法律の内容を正確に把握し、コンプライアンスを徹底することが求められます。

派遣の3類型

労働者派遣には、大きく分けて3つの類型があります。1つ目は「一般派遣(登録型派遣)」で、派遣会社に登録した求職者が派遣先の案件ごとに雇用契約を結ぶ形態です。2つ目は「常用型派遣(無期雇用派遣)」で、派遣会社が労働者を常時雇用し、派遣先へ送り出す形態です。3つ目は「紹介予定派遣」で、最長6か月の派遣期間を経た後、派遣先と派遣労働者の合意のもとで直接雇用に切り替えることを前提とした派遣です。

それぞれの形態には特徴があり、事業計画を策定する際にはどの類型を中心に展開するかを明確にしておくことが重要です。なお、2015年の法改正前に存在した「特定労働者派遣事業(届出制)」は廃止されており、現在はすべての労働者派遣事業に許可が必要です。

人材派遣業の基礎知識についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

人材派遣会社の設立要件

労働者派遣事業の許可を取得するためには、厚生労働省が定める複数の基準をすべて満たす必要があります。ここでは、許可申請の際に特に重要となる各要件について詳しく解説します。

資産要件(財産的基礎に関する判断基準)

人材派遣事業の許可を得るための最大のハードルが、この資産要件です。事業の安定性を担保し、派遣労働者への給与を確実に支払える体制を確保するため、以下の3つの条件をすべて満たさなければなりません。

基準資産額
資産の総額(繰延資産および営業権を除く)から負債の総額を控除した額が2,000万円以上であること。事業所が複数の場合は、2,000万円×事業所数が必要です。
現金・預金
自己名義の現金・預金の額が1,500万円以上であること。事業所が複数の場合は、1,500万円×事業所数が必要です。
負債比率
基準資産額が負債総額の7分の1以上であること。
【図解】許可要件の全体像資産要件・事業所要件・責任者要件の3つの柱
労働者派遣事業の許可を取得するために
満たすべき主要要件の全体像

新規に会社を設立する場合は、設立時の貸借対照表に負債がないため、基準資産額は資本金と同額になります。そのため、資本金を2,000万円以上に設定することが実質的に求められます。

事業所要件

労働者派遣事業に使用する事業所(事務所)は、以下の条件を満たす場所に設置する必要があります。

  • 事業に使用し得る面積がおおむね20㎡以上あること
  • 個人情報を適正に管理できる設備・体制が整っていること(鍵付きの保管庫等)
  • 風俗営業等が密集する地域に所在していないこと

自宅をオフィスとして使用する場合でも、上記の条件を満たし、事業専用の面積を確保できれば申請は可能です。ただし、賃貸物件の場合は賃貸借契約書で事業用途が認められていることが前提となります。

派遣元責任者の選任

派遣事業を行う事業所ごとに、1人以上の派遣元責任者を選任しなければなりません。派遣元責任者は、派遣労働者100人に対して1人以上配置する必要があります。派遣元責任者として選任されるには、以下の条件を満たすことが求められます。

  • 3年以上の雇用管理経験を有すること(人事・労務の担当者としての経験、または職業安定行政や労働基準行政での業務経験など)
  • 厚生労働省が指定する派遣元責任者講習を受講していること(許可申請の受理日前3年以内の受講が必要)
  • 欠格事由に該当しないこと
  • 住所が一定であり、健康状態が良好であること

派遣元責任者講習は、一般社団法人など厚生労働省が認定した機関が実施しており、オンラインで受講できるセミナーもあります。受講費用は1万円前後で、有効期間は3年間です。更新のたびに再度受講する必要があります。

個人情報保護の体制整備

派遣労働者の個人情報を適正に管理するために、個人情報適正管理規程を作成し、事業所ごとに適切な管理体制を整備する必要があります。具体的には、情報の収集・保管・使用・廃棄に関する手順を定め、不正アクセスや情報漏洩を防止するための措置を講じなければなりません。

キャリアアップ教育訓練計画の策定

2015年の法改正により、派遣労働者のキャリア形成を支援する制度を有することが許可基準に追加されました。具体的には、段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を策定し、派遣労働者に対して計画的に教育訓練を提供する体制を整備しなければなりません。教育訓練は有給かつ無料で実施する必要があり、eラーニングの活用も認められています。

欠格事由に該当しないこと

労働者派遣法第6条に定められた欠格事由に該当する場合は、許可を受けることができません。代表的な欠格事由としては、労働基準法や職業安定法などの労働関連法令に違反して罰金以上の刑に処され5年を経過しない者、破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者などがあります。法人の役員全員が欠格事由に該当しないことが求められます。

設立要件の詳細については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

設立にかかる費用と資金計画

人材派遣会社を設立するにあたっては、会社設立そのものにかかる法定費用と、労働者派遣事業の許可申請にかかる費用の両方を準備する必要があります。ここでは費用の内訳と資金調達の方法について解説します。

会社設立費用の内訳

株式会社を設立する場合、以下の法定費用がかかります。

定款認証手数料(公証役場)
資本金の額に応じて3万円~5万円。資本金300万円以上の場合は5万円です。
収入印紙代(定款用)
紙の定款の場合は4万円。電子定款を利用すれば不要になります。
登録免許税(法人登記)
資本金額の0.7%または15万円のいずれか高い額。資本金2,000万円の場合は15万円です。
その他
登記簿謄本の発行手数料(1通600円)、印鑑証明書(1通450円)、法人印鑑の作成費用など。合計で数千円~1万円程度。
【早見表】人材派遣会社の設立にかかる費用一覧 会社設立費用+許可申請費用+資本金の合計目安
株式会社設立の法定費用と
派遣事業許可申請の費用内訳

以上を合計すると、株式会社の設立には電子定款の場合で約20万円、紙の定款の場合で約24万円が目安となります。司法書士や行政書士に代行を依頼する場合は、別途報酬が発生します。

資本金と基準資産額の考え方

人材派遣事業の許可を得るためには、基準資産額が2,000万円以上必要です。会社設立時は負債がないため、実質的に資本金を2,000万円以上に設定することが求められます。ただし、会社運営の初期コスト(事務所の賃料、人件費、備品購入費など)を含めると、資本金は2,000万円ぎりぎりではなく、余裕を持って2,500万円~3,000万円程度を用意しておくことが望ましいでしょう。

なお、人材紹介業(有料職業紹介事業)の基準資産額は500万円以上であり、まず人材紹介業で独立して実績を積む方法もあります。将来的に派遣事業に拡大する計画を立てる際には、段階的な資金準備も有効な方法です。

許可申請にかかる手数料

許可手数料(収入印紙)
12万円 + 5万5千円 ×(事業所数 − 1)。事業所が1か所の場合は12万円です。
登録免許税
許可1件あたり9万円

つまり、1事業所で申請する場合の合計は21万円となります。これらの費用は、収入印紙が消印された後は返還されませんので、書類の不備がないよう事前に十分確認してから申請しましょう。

小規模事業者向け資産要件の緩和制度

2015年の法改正に伴い、小規模な派遣元事業主に対する資産要件の緩和措置が設けられました。1つの事業所のみを有し、常時雇用する派遣労働者が10人以下である中小企業事業主については、基準資産額1,000万円以上、現金・預金800万円以上に緩和されます(当分の間の措置)。ただし、この緩和措置は旧特定労働者派遣事業からの移行者を対象としたものであり、新規で事業を始める場合は原則として通常の資産要件(2,000万円以上)を満たす必要があります。

資金調達の方法

人材派遣会社の設立に必要な資金を調達する方法としては、自己資金の活用が基本ですが、それだけでは不足する場合は以下の手段も検討できます。日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、創業前後の事業者を対象とした融資制度で、担保や保証人が不要なケースもあり、多くの起業家に利用されています。また、都道府県や市区町村が実施する制度融資、信用保証協会の保証付き融資なども選択肢となります。補助金や助成金については、キャリアアップ助成金など派遣業に関連する制度も存在しますので、事前に情報を収集し、活用を検討しましょう。

会社設立から
許可取得までの手順

人材派遣会社を設立し、事業を開始するまでには、大きく6つのステップがあります。全体の流れを把握し、計画的に準備を進めましょう。許可申請から許可取得までは通常2~3か月の期間がかかるため、事業開始予定日から逆算してスケジュールを組むことが重要です。

【フロー図】会社設立から事業開始までの全体スケジュール 準備開始〜許可取得〜事業開始の約6か月間のロードマップ
事業計画の策定から許可取得・事業開始までの
全体スケジュール
  1. 事業計画の策定

    最初に行うべきは、事業計画書の作成です。どのような業種・職種の派遣を行うのか、ターゲットとなる派遣先企業や求職者の層はどこか、ビジネスモデルをどう設計するかを明確にします。売上と経費の見通しを立て、損益分岐点や投資回収の時期を試算します。事業計画書は許可申請時にも提出が必要ですし、融資を受ける際にも金融機関から求められる重要な書類です。市場調査をしっかりと行い、他社との差別化ポイントを明確にしましょう。

  2. 会社設立手続き

    事業計画が固まったら、法人設立の手続きに入ります。会社を作るタイミングとしては、派遣元責任者講習の受講予約と並行して開業準備を進めるのが効率的です。株式会社の場合は、定款の作成(事業目的に「労働者派遣事業」を必ず含める)→公証役場での定款の認証→資本金の払い込み→法務局への法人登記の申請→税務署・都道府県税事務所・年金事務所への各種届出、という流れで進めます。登記簿謄本や印鑑証明書は許可申請でも必要になるため、複数通取得しておくと便利です。

  3. 派遣元責任者講習の受講

    許可申請の前に、派遣元責任者となる者が派遣元責任者講習を受講しなければなりません。講習は厚生労働省が認定した実施機関で行われ、1日程度の内容です。受講後に修了証明書が発行され、この証明書を許可申請時に提出します。講習は人気が高くすぐに満席になるケースもあるため、早めに予約を取ることをおすすめします。

  4. 労働者派遣事業の許可申請

    会社設立と派遣元責任者講習の受講が完了したら、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局を窓口として、厚生労働大臣あてに許可申請を行います。申請書類には、許可申請書、事業計画書、キャリア形成支援制度に関する計画書のほか、定款、登記簿謄本、役員の住民票・履歴書、貸借対照表、納税証明書、派遣元責任者講習の修了証明書、個人情報適正管理規程、事業所のレイアウト図など多くの書類が求められます。事前にチェックリストを活用して漏れのないよう準備しましょう。

  5. 審査・実地調査

    許可申請が受理されると、都道府県労働局および厚生労働省による審査が行われます。書類審査に加え、事業所の実地調査が実施される場合もあります。実地調査では、事業所の面積、個人情報の保管場所、面談スペースの有無などが確認されます。審査には労働政策審議会への諮問も含まれ、通常2~3か月の期間を要します。

  6. 許可取得・事業開始

    審査を通過すると、許可証が交付されます。許可の有効期間は新規の場合3年間で、その後は5年ごとに更新が必要です。許可を取得したら、いよいよ事業を開始できます。派遣スタッフの採用・登録、派遣先企業の開拓を開始し、マッチングによる派遣契約の締結へと進めていきます。

設立後の運営と成功の
ポイント

人材派遣会社を設立し許可を取得した後は、安定した経営を実現するための運営ノウハウが必要になります。ここでは、事業を成功に導くために押さえておくべきポイントを解説します。

【イメージ】派遣会社の運営業務の全体像 採用・教育・コンプライアンス・顧客管理・経理の5つの柱
設立後の安定運営に必要な5つの業務領域

派遣スタッフの採用・教育訓練

派遣事業の成否は、優秀な派遣スタッフの確保にかかっています。デメリットを最低限に抑えながら自分の強みを活かせる人材を集めることが非常に重要です。求人媒体やSNS、自社サイトを活用した効率的な募集活動を展開し、登録者を増やしていきましょう。採用後は、労働者派遣法で義務付けられたキャリアアップ教育訓練を計画的に実施する必要があります。教育訓練は、入職時の研修に加え、毎年一定時間以上の訓練を有給かつ無料で提供しなければなりません。eラーニングの活用やスキルアップセミナーの開催など、派遣社員のキャリア形成を支援する体制を整えることで、スタッフの定着率向上にもつながります。

コンプライアンス管理

人材派遣業は、労働者派遣法をはじめとする多くの法律の規制を受ける事業です。派遣期間の制限、同一労働同一賃金への対応(労使協定方式または派遣先均等・均衡方式)、派遣禁止業務の確認など、法令遵守は経営の基盤となります。注意点として、法改正も頻繁に行われるため、最新の法律情報を常にチェックし、社内体制を適切に更新・継続的に改善していくことが不可欠です。弁護士や社会保険労務士など専門家への相談体制を確保しておくことも有効です。

顧客企業との関係構築

派遣先企業との信頼関係は、事業の安定と成長に直結します。派遣先のニーズを正確に把握し、適切な人材をマッチングすることで、顧客満足度を高めましょう。最後に重要なのは、派遣先における派遣スタッフの役割を明確に定義し、働く環境に与える影響まで考慮した提案を行うことです。成功事例を参考にしながら、各項目を丁寧に確認し、意味のある提案型の営業を実施することが大切です。マッチングの質を向上させることで、リピート受注や紹介による新規顧客の獲得につなげることができます。

労働者派遣事業報告書の作成・提出

派遣元事業主には、毎年6月30日までに「労働者派遣事業報告書」を都道府県労働局に提出する義務があります。この報告書には、派遣労働者の人数、派遣先の状況、売上高、教育訓練の実施状況などを記載します。報告書の提出を怠ると行政指導の対象となり、最悪の場合は許可の取り消しにもつながるため、確実に対応しましょう。決算期ごとの経理管理を適正に行い、報告に必要なデータを日常的に蓄積しておくことが効率的な作成につながります。

法人口座の開設と経理管理

会社設立後は速やかに法人名義の銀行口座を開設し、事業資金の管理を始めます。法人口座の開設には登記簿謄本、印鑑証明書、代表者の本人確認書類などが必要で、金融機関によっては審査に時間がかかる場合もあるため、早めに手続きを進めましょう。経理面では、派遣スタッフの給与計算、社会保険の管理、派遣先への請求管理など、業務量が多く正確性が求められます。専門の会計システムや派遣管理システムを導入することで、業務負荷を大幅に軽減できます。

デジタルツール活用による
派遣業務の効率化と
IT導入戦略

人材派遣会社を設立し事業を開始すると、勤怠管理、給与計算、契約管理、請求処理といった多岐にわたる業務が日常的に発生します。これらの業務を紙やExcelだけで管理し続けることは、事業規模の拡大に伴い大きな限界を迎えます。ここでは、デジタルツールの活用によって派遣業務をどのように効率化できるか、IT導入の戦略について解説します。

派遣会社設立後に直面する業務課題

派遣事業を始めると、派遣スタッフごとの勤怠データの収集と集計、時給制・月給制が混在する給与計算、派遣先ごとに異なる契約条件の管理、毎月の請求書発行と入金確認など、膨大な事務作業が発生します。加えて、労働者派遣法に基づく各種帳票の作成・保管、事業報告書の提出、キャリアアップ教育訓練の記録管理なども必要です。これらを手作業で行うと、担当者の負荷が増大するだけでなく、計算ミスや記載漏れなどのリスクも高まります。

業務管理システムの種類と選び方

派遣業向けの業務管理システムには、勤怠管理に特化したもの、給与計算に特化したもの、契約管理を中心としたものなど、さまざまな種類があります。複数のシステムを組み合わせて導入する方法もありますが、データの連携や二重入力の手間が課題となりがちです。比較検討の際には、自社の事業規模や将来の拡大計画に合った機能を備えているか、法改正への対応が迅速か、操作性やサポート体制は十分かといった観点でチェックすることが大切です。導入コストだけでなく、ランニングコストや導入後の研修・カスタマイズの柔軟性も判断材料に含めましょう。

STAFF EXPRESSの導入メリット

STAFF EXPRESSの管理画面イメージ スタッフ管理・勤怠・給与・請求をオールインワンで一元管理
STAFF EXPRESSは派遣業務の全プロセスを
一元管理できるオールインワンシステムです

STAFF EXPRESSは、人材派遣・紹介・請負業務に必要な機能をオールインワンで備えた業務管理システムです。スタッフ管理から案件マッチング、契約締結、勤怠管理、給与計算、請求・入金管理、さらには経営分析まで、派遣事業の全プロセスを一元的にカバーします。派遣元と派遣先の情報をリアルタイムに連携できるため、業務のペーパーレス化と大幅な効率化を実現できます。

法改正への対応も保守サービスの範囲内で行われるため、法令改正のたびにシステムの改修費用を心配する必要がありません。外国人派遣労働者への対応機能や、派遣スタッフが利用できる就業者向けポータルサービスも提供しており、事業の多様なニーズに柔軟に対応できる環境を整えています。

導入に不安はありません――
3つの安心ポイント

「機能が多くて使いこなせるか不安」「既存データの移行が心配」「自社のような中小規模でも大丈夫?」――そうした不安の声に応えるため、STAFF EXPRESSでは導入前から運用後まで徹底したサポート体制を整えています。

Point

充実のサポート体制

導入前の業務ヒアリングから、初期設定、運用開始後の問い合わせ対応まで、専任担当者が一貫してサポートします。操作に迷った際の電話・メール対応はもちろん、運用動画や操作マニュアルも完備しており、ITに詳しくない担当者様でも安心してご利用いただけます。

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データ移行フォロー体制

既存システムからSTAFF EXPRESSへの切り替えに際しては、スタッフ情報、契約データ、勤怠実績などのデータ移行を専門チームがフルサポート。ExcelやCSV、他社派遣管理システムからの移行実績も豊富で、業務を止めずにスムーズな切り替えを実現します。

導入による業務効率化の具体的な効果

業務管理システムを導入することで、以下のような具体的な効果が期待できます。勤怠データの自動集計により月末の締め作業が大幅に短縮され、給与計算の正確性も向上します。契約書や各種帳票の電子化によりペーパーレス化が進み、印刷コストや郵送コストを削減できます。また、経営分析機能を活用することで、売上や利益率の推移をリアルタイムに把握でき、データに基づいた迅速な経営判断が可能になります。設立当初からシステムを導入しておくことで、事業拡大に伴う業務量の増加にもスムーズに対応できる体制を築くことができるでしょう。

人材派遣業界の
市場動向と展望

市場の成長性とビジネスチャンス

人材派遣業界の市場規模は、長期的に見て緩やかな拡大傾向にあります。企業の人手不足を背景に、派遣労働者に対するニーズは高い水準を維持しています。特にIT・DX関連、物流、介護・福祉、製造業などの分野では慢性的な人材不足が続いており、専門性の高い人材を派遣できる会社にはビジネスチャンスが広がっています。新規参入を検討する際には、成長分野に特化した戦略を立てることで、他社との差別化を図ることが可能です。

【グラフ】人材派遣業界の市場規模推移 業界全体の売上高・派遣労働者数の推移データ
人材派遣業界の市場規模は長期的に
拡大傾向にあります

労働市場の変化とニーズ

働き方改革の推進や多様な雇用形態の浸透により、派遣という働き方を選択する労働者は増加しています。企業側も、正社員の採用が困難な状況の中で、派遣スタッフを戦略的に活用する動きを強めています。また、外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、外国人派遣に対応できる体制を整える派遣会社への需要も高まっています。テレワークやリモートワークの普及により、地域をまたいだ人材派遣のニーズも新たなビジネス機会を生み出しています。

今後の業界展望

今後の人材派遣業界では、AI技術を活用したマッチング精度の向上や、デジタルツールによる業務の自動化がさらに進展すると見込まれます。同時に、派遣労働者の待遇改善や同一労働同一賃金の徹底といった社会的要請への対応も不可欠です。法改正の動向を注視しながら、コンプライアンスを徹底しつつ、テクノロジーを活用した高品質なサービスを提供できる派遣会社が、今後の市場で競争力を発揮することになるでしょう。人材派遣会社の設立を目指す方にとって、現在は参入を検討する好機といえます。

コラム記事ナビゲーション

人材派遣会社の設立・運営に関するさらに詳しい情報は、以下のコラム記事で解説しています。テーマごとに分類していますので、関心のある分野からお読みください。

よくあるご質問

人材派遣会社の設立に必要な資格は何ですか?
派遣元責任者講習を受講し、修了証明書を取得する必要があります。これは厚生労働省が認定した機関で実施される講習で、受講費用は1万円前後です。さらに、派遣元責任者に選任される者には3年以上の雇用管理経験が求められます。それ以外に特別な国家資格は不要ですが、労働者派遣法の知識を十分に身につけておくことが実務上は必須です。
設立にかかる費用はどのくらいですか?
株式会社の設立費用(法定費用)は約20万~24万円で、それに加えて派遣事業の許可申請費用として約21万円(1事業所の場合)が必要です。さらに、資本金として2,000万円以上を用意しなければなりません。事務所の賃料や備品購入費、初期の運転資金なども含めると、総額で2,500万~3,000万円程度の準備が目安となります。
個人事業主でも派遣会社を設立できますか?
個人事業主でも労働者派遣事業の許可を取得することは法律上可能です。ただし、法人の場合と同様に基準資産額2,000万円以上、現金・預金1,500万円以上の資産要件を満たす必要があります。また、個人事業の場合は社会的信用の面で法人に比べて不利になることが多いため、法人化して許可を取得するケースが一般的です。
派遣元責任者講習はどこで受講できますか?
派遣元責任者講習は、厚生労働省が認定した一般社団法人やその他の実施機関が全国各地で開催しています。会場での対面受講のほか、オンラインで受講できる機関もあります。厚生労働省のウェブサイトに実施機関の一覧が掲載されていますので、そちらで最寄りの会場やスケジュールを確認してください。人気のある日程はすぐに満席となるため、早めの申込みをおすすめします。
許可申請から事業開始までどのくらい期間がかかりますか?
許可申請書が都道府県労働局に受理されてから、許可証が交付されるまでの期間は通常2~3か月です。ただし、書類の不備があると補正を求められ、さらに時間がかかる可能性があります。会社設立の手続きや派遣元責任者講習の受講にかかる時間も考慮すると、準備開始から事業開始まで半年程度の期間を見込んでおくとよいでしょう。
小規模で始める場合の資産要件の緩和はありますか?
1つの事業所のみを有し、常時雇用する派遣労働者が10人以下の中小企業事業主に対しては、基準資産額1,000万円以上、現金・預金800万円以上に緩和される暫定措置があります。ただし、この措置は旧特定労働者派遣事業からの移行者を対象としたもので、新規で事業を始める場合には適用されない点に注意が必要です。新規参入の場合は原則どおり2,000万円以上の基準資産額が求められます。
設立後に必要な届出・報告にはどのようなものがありますか?
派遣元事業主は、毎年6月30日までに労働者派遣事業報告書を管轄の都道府県労働局に提出する義務があります。そのほか、事業所の新設・廃止、役員の変更、事業内容の変更などがあった場合には、それぞれ届出が必要です。また、許可の有効期間(新規は3年、更新後は5年)が満了する前には更新申請の手続きも行わなければなりません。
派遣禁止業務にはどのようなものがありますか?
労働者派遣法により、以下の業務への派遣は禁止されています。港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関連業務(一部例外あり)、弁護士・司法書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士等のいわゆる士業の業務です。これらの業務に派遣を行った場合は法令違反となり、許可の取り消しなどの厳しい処分の対象になります。事業計画の策定にあたっては、対象業務が禁止業務に該当しないことを事前に確認しましょう。

まとめ

本ガイドでは、人材派遣会社の設立に必要な知識を、基礎知識から許可要件、費用、手続き、運営ノウハウ、デジタルツールの活用、市場動向まで一貫して解説してきました。ここで要点を総括します。

人材派遣会社を設立するためには、まず厚生労働大臣の許可が必要であり、基準資産額2,000万円以上、現金・預金1,500万円以上などの資産要件を満たさなければなりません。事業所の面積はおおむね20㎡以上が必要で、派遣元責任者の選任(3年以上の雇用管理経験と講習の受講が条件)、個人情報保護体制の整備、キャリアアップ教育訓練計画の策定なども許可基準に含まれます。会社設立から許可取得までは通常半年程度の期間を要するため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。

設立後は、コンプライアンスの徹底、派遣スタッフの教育訓練、顧客企業との関係構築が安定経営のカギとなります。また、業務管理システムの導入による効率化は、事業の成長を加速させる重要な要素です。

今後のアクションプラン

人材派遣会社の設立を具体的に進めるために、以下のステップで準備を始めましょう。

  1. 本ガイドと関連コラム記事を熟読し、設立要件と手続きの全体像を把握する
  2. 事業計画書を作成し、ターゲット市場とビジネスモデルを明確にする
  3. 資金計画を立て、資本金と運転資金を確保する
  4. 派遣元責任者講習を早めに予約・受講する
  5. 司法書士や行政書士、社会保険労務士など専門家への相談を開始する
  6. 業務管理システムの導入を検討し、設立当初から効率的な運営体制を構築する