【基礎解説】人材派遣管理のサイロ化とは?原因と問題、解決方法を詳しく解説

近年、企業がデータを活用し、業務効率化や生産性向上、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するDX化が推進されています。

しかし、企業内で部署をまたいだシステムの連携がうまく実施できず、システムが孤立し、情報共有が行えないケースも発生しているのが現状です。

こうした状況が「サイロ化」であり、早急な解決が経営のスピードアップには欠かせません。

本記事では、人材派遣管理のサイロ化についてその原因と問題点、解決方法について詳しく解説します。

 

サイロ化とは

サイロ化とは、企業が業務に使用しているシステム間の連携がうまく行えず、情報共有ができない状況を意味します。

各部門でデータが蓄積されていても、その情報を共有できなければせっかく収集したデータの活用が限定的となってしまい、これは大きなデメリットです。

 

サイロの語源は英語の「silo」であり、サイロとは冬の期間中家畜の飼料となる青草など貯蔵したり、米や小麦、とうもろこしなどの農作物を貯蔵したりする円筒形の塔のような形をした倉庫を指します。

サイロは貯蔵している飼料や農作物が混ざらないように独立していることから、サイロ化とはIT領域における各種システムが孤立し、情報共有されていない状態を指すようになりました。

 

DX化が進むにつれて、企業におけるデータ総量は膨れ上がり、そのデータを基にしたマーケティングの重要性が高まっています。ビッグデータを活用し、企業の発展に活かすためにはデータを一元管理する仕組みが必要です。その実現を妨げるもののひとつが、このサイロ化なのです。

 

サイロ化の種類

サイロ化には、いくつかの種類があります。

 

組織のサイロ化

組織のサイロ化とは部署や部門が独立して業務を行っている場合に起こり、部署や部門を超えた情報共有が実施できていないことを指します。組織のサイロ化は、エンゲージメント低下にもつながりかねません。

組織のサイロ化を改善するためには、部署を超えて業務に取り組むプロジェクトなどを実施するのもひとつの方法です。部門・部署を超えた活動は企業としてさらなる気づきを得るチャンスにもなり得ます。企業としての発展、成長につながることもあるでしょう。

部署や部門を超えた連携を積極的に行い、従業員同士がお互いの仕事に関心を持つことで、企業として結束力を強めることができます。

 

データのサイロ化

組織内でデータがばらばらに保管されており、適切に活用されていない状態が「データのサイロ化」です。各部門が連携せず自部門だけのためにIT化やデータ管理を進めてしまうとこのような状態に陥ってしまいます。

自部門にあるデータは他部門からは容易にアクセスすることはできないため、情報共有や部門間の連携を難しくする要因となります。データの存在そのものを知らないケースも考えられるでしょう。

また、企業全体の動向をデータをもとに把握できず、適切な経営判断の妨げとなってしまいます。

 

システムのサイロ化

部門間、部署間で利用しているシステムが異なることにより連携が取れない状態を「システムのサイロ化」といいます。

たとえば顧客管理を例にとってみましょう。営業部とマーケティング部で顧客管理に異なるシステムを使用している場合、部署内で利用する分には問題は起きませんが、部署間での連携において問題が起きてしまいます。たとえ同じ目的を果たすシステムであっても、異なるものを使っていると、そのデータの中身は異なります。顧客データを相互に活用したくても、システムが異なるとデータの共有は容易ではありません。データの型を合わせるための編集に手間がかかってしまいます。

また、システムを活用して有益な施策を作り出したとしても、別のシステムを使う他部署に横展開することはできません。そのためさまざまなノウハウは自部門内にとどまることになります。

反対に、全社でひとつのシステムを利用していれば部門をまたいでも情報共有が簡単にできるため、他の部門からもデータにアクセスし、参照することが可能です。また、システムを活用したノウハウが全社的に生かされ、効率が高まります。

 

以下、本記事ではシステムのサイロ化について詳しく解説します。

 

システムのサイロ化が起きてしまう要因とは?

システムのサイロ化は、なぜ起きてしまうのでしょうか。

 

システムやツールを独自に導入している

システムにおけるサイロ化は部門や部署、個人それぞれが個別でシステムを選んで導入し、運用している場合に発生します。

サイロ化が起きる原因としては、現場の管理方針の違いや、コミュニケーション不足です。システムを導入する前に部門や部署の間で話し合いを行い、同じシステムを導入していれば、システムのサイロ化を防ぐことができます。

しかし、それぞれが担当する業務に合わせて独自にシステムを選定し、導入してしまうと、あとからデータを統合したいと思っても困難なケースが多いのが実情です。

システムが違うと、出力される形式が異なることが多く、取り扱うデータ量が多ければ多いほど複雑になり、サイロ化は深刻な状況となります。

可能であればシステム導入前に部門や部署間で連携し、ひとつのシステムを導入することが、サイロ化防止に役立つことを理解しておきましょう。

 

古いシステムと新しいシステムの併用

部門や部署によって導入しているシステムが違うだけでも対処が難しいものとなりますが、さらにシステムの導入時期が異なる場合も、システムのサイロ化の原因となってしまいます。

古いシステムは開発されてから年月を経ている分、その仕組みや技術が古いため、新しいシステムとの互換性がないケースもあります。

このような古いシステムを「レガシーシステム」と呼びますが、社内にこのレガシーシステムと最新システムが混在している場合、サイロ化が生じやすくなるので注意が必要です。

 

サイロ化に気づいていない、問題視していない

サイロ化していても、その事実に気づいていないケースや、問題視せずにそのまま放置しているケースもあります。

サイロ化がもたらすデメリットを的確に理解していないと、このような事態に陥りやすいので注意が必要です。

 

システムのサイロ化が引き起こす問題・デメリット

システムのサイロ化が起こす具体的なデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

 

部門・部署の情報共有スピードが低下

システムのサイロ化が起こると、部門や部署を超えた情報共有が困難になります。

情報共有スピードが低下することで、部門や部署をまたいだ業務が滞ったり、経営判断の遅れや業務効率化の妨げになったりする可能性もあるでしょう。

 

生産性が下がる

先ほども述べた通り、サイロ化している場合はデータを共有するだけでも手間や時間が必要となり、生産性低下につながるケースもあります。

また、データの不整合も発生しやすくなり、更新されていないデータを参照し、利用してしまうリスクも考えられるでしょう。

効率よく、効果的な経営戦略を打ち出したり、的確な経営判断を下しにくくなるリスクがサイロ化にはあるのです。

 

システムの維持に無駄なコストがかかる

システムによっては、導入費用のほかに月額使用料やメンテナンス費用が必要なものもあります。部門や部署ごとに個別でシステムを導入している場合、それぞれ費用が発生し、コストが増大するリスクもあることを理解しておきましょう。

同じデータを異なるシステムで保存している場合は、それぞれのシステムでストレージを使用することになります。その分、ストレージの残りが減少したり、使用料が発生するケースもあるでしょう。また、データの一貫性を保つための更新作業や修正などの管理作業にも、人件費が発生します。

このように、部門や部署ごとに異なるシステムを導入し運用している状況は、効率がよくないということを理解しておきましょう。

 

サービス品質の低下

情報共有がうまくできていない場合、DX戦略の観点からもうまくいかない結果となりかねません。

せっかくこれまで蓄積してきた膨大なデータが利活用できないと、顧客のニーズに応えたサービスや商品などを提供できず、顧客離れが起きるリスクもあります。

結果として、収益が落ちるなど経営基盤の弱体化が懸念されます。

 

システムのサイロ化を解消するとどのような効果がある?

システムのサイロ化が引き起こすデメリットがわかったところで、システムのサイロ化を解消することにより得られる効果についてみていきましょう。

システムのサイロ化解消は、以下のような効果をもたらします。

 

スピード感のある経営の意思決定実現

サイロ化を解消することで、これまで見えてこなかったさまざまな情報の可視化が実現できます。

情報を可視化することで、経営陣はスピード感ある意思決定ができるようになり、現状と客観的に向き合い、新たなビジネスモデル構築や新規市場への参入、新たなる価値の創出などが可能となるのです。

市場における競争力強化も、期待できるでしょう。

 

データの価値向上

サイロ化解消により社内データの一元管理を行うことで、統合的なデータ活用が可能となります。

社内に散在していたままでは活用できなかったデータをビッグデータとして解析することで、市場のニーズや顧客満足度向上を実現できるでしょう。

 

生産性向上

サイロ化解消を実現するためには、プロセスとしてまず自社の抱える問題や業務全体を洗い出す必要があります。

そのうえで、どこでサイロ化が生じているかを把握することが重要です。

 

データの転記や二重入力といった無駄な作業が明らかになることで、業務フローの最適化も実現できるでしょう。

業務を効率化することで、社内のリソースを本来取り組むべき業務や、より重要度の高い仕事にあてられるようになります。

 

人材派遣管理システムのサイロ化を解消する方法

人材派遣管理の領域で起こりがちなシステムのサイロ化には、部門ごとに異なる人材派遣管理システムを導入してしまうケースのほか、人材派遣管理システムでで実現できない機能を、別のシステムを入れることで実現させるようなケースもあります。

後者は特に、派遣元や派遣先の指定で導入した人材派遣管理システムがもう一方にとっては機能が不十分で、追加でシステムを導入せざるを得ないというケースです。

これらのようなシステムのサイロ化を解消するには、さまざまな機能が搭載されたオールインワンサービスを活用する方法がおすすめです。こうしたシステムを導入することで、部門や部署、派遣元や派遣先どちらであっても、必要な機能が備わっており、追加のシステム導入が必要ありません。また、あらゆるデータを一元管理することが可能となり、各部署が蓄積しているデータを必要なタイミングでどの部門・部署でも活用できるようになります。

ひとつのシステムを使うことになりますが、適切に権限管理を行うことで、部門内の情報を守りつつ、部門間での情報共有をスムーズにすることも可能です。このようなオールインワンサービスを使うことで、システムのサイロ化だけでなく、組織のサイロ化やデータのサイロ化を防ぐ効果も期待できるでしょう。

 

人材派遣管理のオールインワンシステムとしてぜひご検討頂きたいのが、株式会社エスアイ・システムが運営するSTAFF EXPRESSです。

STAFF EXPRESSは、派遣先、派遣元のどちらの企業にとっても必要な機能が備わっているため、何かを実現するために新たなツールを入れる必要がありません。さらに、派遣スタッフ向けの就業クラウドサービス『STAFF EXPRESS NEO』を導入すれば、登録している派遣スタッフの管理も可能です。

 

STAFF EXPRESSによって実現できる項目をマップで一覧化すると次のとおりです。

これだけの機能が、ひとつのシステムに備わっています。システム同士の重複登録や転記は一切不要で、法令遵守や作業効率化、ガバナンス強化をすべて実現できるシステムとなっています。

 

現在、部門ごとに個別のツールを導入して人材派遣管理のサイロ化が起きているのであれば、STAFF EXPRESSで統一管理してみてはいかがでしょうか。お問い合わせいただければ現状のヒアリングを行い、サイロ化診断やSTAFF EXPRESS導入による改善の戦略を立てることも可能です。

低価格で導入が可能で、これまで人材サービスに関わる5,000社以上もの企業で導入されているSTAFF EXPRESSで、人材派遣における管理業務を一括管理しませんか。

ぜひ、一度ご相談ください。

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サイロ化を放置してはいけない!早急に解決してデータの有効活用を

サイロ化は、社内の部門ごとに使用するシステムが異なることで、データ共有がうまくできない状況を指します。せっかく蓄積されたデータも、顧客満足度向上やマーケティングに活用できなければ意味がありません。データのサイロ化を解消するためには、情報を統一する必要があります。

複数のデータベースを統合できるソフトウェアなどもありますから、ぜひ活用してサイロ化を解消しましょう。

 

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