派遣先管理台帳とは?記載事項・保管期間・通知方法と2020年改正の必須項目を解説|派遣管理システム STAFF EXPRESS

派遣先と派遣元、就業者の情報を一元管理

派遣先管理台帳とは?記載事項・保管期間・通知方法と2020年改正の必須項目を解説

人材業の課題解決
派遣先管理台帳の運用業務に取り組むビジネスパーソンと書類のイメージ

派遣社員を受け入れる企業の人事労務担当者にとって「派遣先管理台帳」は、避けて通れない法定書類です。労働者派遣法第42条で作成・記載・保管・通知が義務付けられており、適切に運用できていないと労働局の調査で指摘を受けたり、罰則の対象となる可能性もあります。

派遣先管理台帳は、派遣社員を受け入れる企業が一人ひとりの就業実態を記録し、派遣期間終了日から3年間保管しつつ、記載事項の一部を派遣元事業主へ月1回以上のペースで通知することが求められる書面です。2020年4月の労働者派遣法改正で記載項目が追加されたほか、運用面では紙のほか電子データでの保管も可能で、派遣元への通知は書面の交付・FAX・電子メールなどから選択できるため、実務の選択肢が広がっています。

本記事では、派遣先管理台帳について、記載すべき事項、保管のルール、通知の方法、違反時の罰則、運用効率化のポイントまでを、厚生労働省の指針と最新の運用実態に基づき網羅的に解説します。派遣先企業の担当者の方はもちろん、派遣元責任者として通知の受領管理を担う方にも役立つ内容です。

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派遣先管理台帳とは?基本概念と作成義務の所在

派遣先管理台帳の書類を確認するビジネスパーソンの手元

派遣先管理台帳は、派遣社員を受け入れている派遣先企業が、派遣労働者ひとりずつの就業実態を記録するために整備する法定台帳です。労働者派遣法第42条によって、派遣先事業主には、台帳の整備、必要事項の記入、派遣元への定期通知、3年間にわたる保存という4種類の義務が課されています。これらの義務が課されている主な理由は、雇用主と業務指揮命令者が分かれる派遣関係において、派遣社員の就業実態を派遣先・派遣元の双方で正確に把握・共有し、適正な雇用管理を実現する必要があるためです。

派遣先管理台帳の定義と派遣元管理台帳との違い

この台帳は、受け入れている派遣社員一人ひとりについて、就業した日ごとに、労働した時間や担当した業務、休憩のとり方などを記録するためのものです。雇用関係上、派遣社員の雇用主は派遣元(派遣会社)ですが、日々の業務指揮命令は派遣先企業が担うものの、契約条件と実際の就業状況の照合は双方が責任を分かち合って行います。そのため、派遣先での就業実態を派遣先自らが記録し、その内容を派遣元へ通知することで、派遣元の雇用管理に必要な資料として活用してもらう仕組みになっています。

類似する書面に「派遣元管理台帳」がありますが、こちらは労働者派遣法第37条に基づき派遣元事業主が作成する書類で、派遣社員の雇用条件や派遣先情報、社会保険加入状況、教育訓練の実施記録、苦情処理状況などを記載します。名称こそ似ていますが、どちらが作成するか、何のために記載するか、どのように運用するかという点でルールが分かれています。派遣先責任者と派遣元責任者が双方の台帳について連携し合うことで、紹介予定派遣を含む派遣業務全体の信頼性が高まります。

作成義務の対象範囲と「5人以下」の例外規定

台帳を作る責任は、原則として派遣社員を受け入れているすべての派遣先事業所が負います。整備の単位は事業所ごとであり、本社・支店・営業所など複数拠点で派遣社員を受け入れているケースでは、拠点単位で台帳を作成・保有しなければなりません。

ただし、労働者派遣事業の適正な運営の確保という観点から、小規模事業所には例外規定が設けられています。労働者派遣法施行規則第35条第3項により、当該事業所において指揮命令の下に労働させる派遣労働者の数と、その事業所で雇用する労働者の数の合計が5人を超えないときは、派遣先管理台帳の作成および記載を行うことを要しないとされています。なお、人数が5人前後で変動する可能性がある事業所では、後から作成義務が生じるリスクに備え、5人以下であっても任意で台帳を整備しておくと実務上は安全です。直接雇用への切り替えを検討している場合でも、台帳の保存義務は契約終了後も継続する点に注意が必要です。

※参照: 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索)

派遣先管理台帳の記載事項一覧【2020年改正対応の必須項目】

派遣先管理台帳の記載事項をチェックリストで確認する様子

台帳に書き込むべき事項は、労働者派遣法第42条第1項と施行規則第36条で具体的に定められています。これらの項目を抜けなく記入することが基本です。2020年4月の法改正によって新しい記載項目が加わったため、古い様式を使い続けている場合は最新のフォーマットへ更新しておきましょう。ここからは、法令で求められる記載項目を分類しながら整理し、記入時に気をつけたい点もあわせて見ていきます。

派遣先管理台帳の法定必須記載項目【基本情報と就業実態】

記載すべき事項は、施行規則第36条で追加された項目も含めると、現行ではおおよそ17項目に整理できます。内訳は、派遣労働者の基本情報、就業実態、責任体制、苦情処理、教育訓練、社会保険といった広い範囲にわたります。

分類 主な記載項目 記載のポイント
派遣労働者の基本情報 派遣労働者の氏名/無期雇用か有期雇用かの別/60歳以上か否かの別/協定対象派遣労働者か否かの別 派遣元から提供される情報をもとに記載。雇用形態と年齢区分は派遣受入期間制限の判断にも関わる重要事項
派遣元の情報 派遣元事業主の氏名または名称/派遣元事業所の名称および所在地(電話番号含む)/派遣元責任者 紹介予定派遣の場合は紹介予定派遣に関する事項も別途記載
就業実態 派遣就業した日/日ごとの始業・終業時刻と休憩時間/従事した業務の種類および内容/就業場所と組織単位 労働時間はタイムカード等の記録と整合性を取り、終業後の集計漏れに注意
責任体制 派遣先責任者/派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度(役職・権限の範囲) 2020年改正で追加。役職がない場合は「役職なし」、権限がない場合は「権限なし」と明記
その他 派遣受入期間制限の有無/教育訓練の日時および内容/社会保険・雇用保険の被保険者資格取得届の有無/苦情処理に関する事項 抵触日の管理や教育訓練実績の記録は派遣元との情報共有が前提

台帳のフォーマットに法定の指定書式はなく、ExcelやWord、派遣管理システムなどで自社の運用に合わせて作成できます。ただし記載事項の漏れを防ぐため、東京労働局などが公開している様式例を参考に整備するのが安全な進め方です。

※参照: 労働者派遣事業に係る契約書・通知書・台帳関係様式例(東京労働局)

2020年改正で追加された記載項目と苦情処理の都度記載

2020年4月の労働者派遣法改正では、同一労働同一賃金の枠組み導入にあわせて「協定対象派遣労働者か否かの別」と「派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度」の2項目が新たに追加されました。前者は派遣社員の賃金決定方法が労使協定方式か派遣先均等・均衡方式かを区別する記載で、「協定対象派遣労働者」「協定対象派遣労働者ではない(派遣先均等・均衡方式)」のいずれかを明記します。後者は派遣社員が担う役職名・部下の人数・決裁権限の範囲・緊急時の対応範囲などを具体的に記録する項目です。

また、派遣社員から苦情の申し出を受けた場合は、その都度「苦情の申し出を受けた年月日」「苦情の内容」「苦情の処理状況」の3点を台帳に書き留め、派遣元事業主へ通知する必要があります。苦情処理は単発の対応で終わらせず、再発防止と労務管理の改善に活かす運用が望まれます。

保管期間と保管方法|3年間の保存ルールを正しく押さえる

ファイリングキャビネットで派遣先管理台帳を3年間保管する様子

台帳は記載して終わりではなく、所定の期間にわたって適切に保存することまでが派遣先の責任です。労働者派遣法第42条第2項および施行規則第37条により、3年間の保管義務が定められています。保管期間をいつから数え始めるか、紙・電子データのどちらで残すかなど、実務上気をつけたい点を順に確認していきましょう。

保管期間は3年間|起算日と契約更新時の取り扱い

保管しなければならない期間は、派遣期間が終了した日を起点として3年間です。たとえば派遣契約が2026年3月31日に終わった場合、台帳は2029年3月30日まで残しておくことになります。気をつけたいのが、派遣契約を何度か更新しているケースです。更新を行っている場合は、いちばん最後の契約終了日が3年間のカウント開始日となります。直接雇用へと切り替えたパターンでも、派遣契約そのものは終了しているため、その終了日からあらためて3年間保管する義務が続く点には注意が必要です。

タイムカードや勤怠データといった就業実態を裏付ける資料を別途管理している場合は、台帳と同じ年限で保管しておくと安心です。労働局調査や監査の場面では、台帳の記載内容と就業実績がきちんと一致しているかが論点になるため、関連書類を年度単位でまとめておくと突合作業がスムーズになります。

紙保管と電子データ保管の選択肢【Excelやシステムでの管理】

派遣先管理台帳の保管形式は、紙でも電子データでも構いません。電子データで保管する場合は、改ざんを防止できる体制と、調査依頼があった際に速やかに出力できる状態を維持しておくことがポイントです。ExcelやWordのファイル管理、クラウドストレージの利用、派遣管理システムでの一元管理など、自社の運用規模に応じた選択肢があります。

受け入れている派遣社員の人数が多い派遣先や、複数の派遣元から受け入れている事業所では、Excelによる管理だと、記載事項の更新抜けや、3年間という保存年限の起点を見失うミスが発生しやすくなります。電子データでの保管・通知が認められているため、専用のフォーマットやシステムを活用することで運用効率を高めやすくなる点はメリットの一つです。初めて派遣先管理台帳の運用を整備する企業にとっても、システム導入は属人化を抑える選択肢になります。

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通知義務と通知方法|派遣元への情報共有ルールを整理

派遣元への通知業務を行うビジネスパーソン

派遣先管理台帳の運用で見落とされやすいのが、派遣元事業主への通知義務です。労働者派遣法第42条第3項および施行規則第38条により、台帳に記載した事項の一部を1か月に1回以上、一定の期日を定めて派遣元へ通知することが義務付けられています。通知漏れも罰則の対象となり得るため、運用ルールを確実に整備しておくことが重要です。

派遣元への通知が必要な項目と通知のタイミング

派遣先が派遣元事業主へ定期的に通知すべき主な事項は、派遣労働者の氏名、派遣就業した日、日ごとの始業・終業時刻および休憩時間、従事した業務の種類および内容のほか、派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度、就業した事業所の名称・所在地・就業場所および組織単位などです。これらは1か月に1回以上、一定の期日を定めて派遣元事業主に通知します。なお、派遣労働者から苦情の申し出を受けた場合は、苦情の内容および処理状況を台帳に記載し、派遣元事業主へ遅滞なく通知する必要があります。教育訓練の日時とその内容については、台帳上の記載項目として整理し、派遣元と情報を共有したうえで適切に管理することが求められます。

具体的な運用としては、たとえば「毎月末日締めで翌月5日までに通知」といった社内ルールを定め、派遣元事業主との間で運用を擦り合わせておくと、通知漏れや期日のばらつきを防ぎやすくなります。派遣元から請求があった場合は、定めたタイミング以外でも遅滞なく通知しなければなりません。

書面・FAX・電子メールでの通知手段と注意点

通知の手段としては、書面を交付する、FAXで送信する、電子メールに添付して送るのいずれかを選ぶことができます。就業時間帯と休憩時間については、タイムカードの写しを送付することで通知に代える運用も認められています。いずれの方法をとる場合でも、通知の証跡を残すことが、後々のトラブル防止と労働局調査への備えにつながります。

電子メールでの通知を選択する場合は、送信先アドレスを派遣元責任者または営業担当者に限定し、個人情報保護の観点から添付ファイルへのパスワード設定や暗号化などの対応をあわせて検討するとよいでしょう。FAXは送信完了後に受信確認の連絡を取る、書面交付は受領印または受領メールを残すなど、通知の確実性を担保する工夫が実務上のポイントです。

派遣先管理台帳の作成義務違反と罰則【労働局調査のリスク】

派遣先管理台帳をコンプライアンス観点で確認するビジネスパーソン2名

台帳について定められた作成、記載、保管、通知のうちどれか一つでも欠けると、労働者派遣法に基づく罰則の対象になり得ます。悪意のない記載抜けや更新の遅れであっても、行政指導や是正勧告につながる可能性があるため、社内で運用ルールを定着させておくことが欠かせません。

30万円以下の罰金規定と該当条文

法令で定められた方法で作成、記載、保存、通知のいずれかを行わなかったケースでは、労働者派遣法第61条第3号に該当し、30万円以下の罰金が科される可能性があります。罰金の対象となるのは派遣先事業主です。また、派遣先責任者を適切に選任していない場合も、労働者派遣法上の義務違反として30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。台帳の作成・記載・保存・通知義務とは別の義務として、派遣先責任者の選任状況もあわせて確認しておくことが重要です。罰則を受けるリスクだけでなく、行政処分の対象となれば派遣社員の継続受け入れに支障が生じる可能性もあります。

※参照: 派遣労働者の受入れ(厚生労働省)

労働局調査・監査時の確認観点と是正のリスク

労働局による定期調査や個別指導の場では、台帳に必要事項が漏れなく記載されているか、適切に保管されているか、派遣元への通知履歴が残っているか、苦情への対応がどう記録されているかなどがチェックされます。記載抜けや更新の遅れが見つかると是正指導につながり、繰り返し違反が確認されれば派遣受け入れ自体に行政上の問題が生じる可能性もあります。日常的なチェック体制と、年に一度の総点検を組み合わせる運用が、適正な労務管理の維持につながります。点検結果を社内で共有し、派遣社員の採用フェーズから台帳の整備状況を意識する文化を育てることも有効です。

派遣先管理台帳の運用課題と派遣管理システムの活用【効率化の選択肢】

派遣管理システムを活用した派遣先管理台帳の効率化シーン

台帳は記入すべき項目数が多いうえに、派遣社員ひとり単位で作成・更新・通知・保管を続けていく必要があるため、受け入れている派遣社員の人数が増えるほど担当者の手間も膨らみます。派遣元事業主の側でも、複数の派遣先から月次で送られてくる通知内容を確認し、派遣元管理台帳と突き合わせる作業が発生します。ここでは、運用上の実務課題と効率化の選択肢を整理します。

派遣元・派遣先が抱える運用上の実務課題

派遣先の担当者がぶつかりやすいのは、派遣社員ごとの就業実態を記録・更新する手間、月次通知をうっかり忘れないための仕組みづくり、3年間の保管を取りこぼさないための管理体制、2020年の改正で追加された項目への対応といったテーマです。Excelや紙の管理だと、派遣社員の入れ替わりやプロジェクト変更、抵触日の到来などの場面で記入の抜けが発生しやすく、台帳と勤怠データを突き合わせて整合性を取る作業に多くの時間が割かれます。

派遣元側では、人材派遣会社として複数の派遣先から届けられる台帳の通知内容を取りまとめ、派遣元管理台帳と連携させる業務が発生します。担当者一人が抱える派遣社員数が多い中小派遣会社では、情報共有のタイミングや受領記録のチェックでトラブルが起こりやすく、システム化が解決策の有力候補となります。

派遣管理システム「STAFF EXPRESS」による効率化

派遣管理システム「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」のロゴ

こうした運用課題に対し、株式会社エスアイ・システムが提供する派遣管理システム「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」は、契約・スタッフ情報・勤怠・給与・請求・帳票出力を1つのプラットフォームで一元管理する設計を採っています。派遣先管理台帳に必要な記載項目は契約情報・スタッフ情報・勤怠データから自動で連携されるため、担当者は項目ごとに手入力する手間を抑えながら台帳を整備しやすくなります。月次通知や苦情処理の記録、教育訓練の実施履歴、派遣社員向け研修の説明記録なども同じシステム上で管理できます。

スタッフエクスプレスには運用面の安心材料が3つあります。1つ目は、契約企業の約8割が中小派遣会社という導入実績で、限られた人員体制でも運用しやすい機能設計になっている点です。2つ目は、Excel管理や既存システムからの移行時に専任担当者がフォローにつくデータ移行サポート体制が用意されていること。3つ目は、労働者派遣法の改正にあわせた機能アップデートが保守範囲内で提供されるため、法改正対応の負担を抑えやすい点です。多機能であっても、契約・勤怠・給与・請求・帳票・情報公開までを一気通貫で扱える設計のため、複数ツール併用の煩雑さを避けられる選定基準の一つとなり得ます。

監査対応チェックリスト視点での運用改善【独自の提案】

派遣先管理台帳の運用を改善するうえで効果的なのが、労働局調査・内部監査の確認観点を「チェックリスト」として運用に組み込む発想です。具体的には、①記載事項の網羅性(17項目の漏れ確認)②月次通知の証跡(送信日・受領記録)③苦情処理の都度記載④保管期間の管理と起算日チェック⑤2020年改正による追加項目の反映状況、の5項目を月次・四半期で点検する運用が考えられます。チェックリストをシステム上のステータス管理と連動させることで、属人化を防ぎながら適正な状態を維持しやすくなります。

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派遣先管理台帳に関するよくある質問(Q&A)

台帳の作成や運用にまつわって、派遣先・派遣元の担当者からよく寄せられる質問をピックアップしてまとめました。日々の実務で生じる疑問を解消する手がかりとしてご活用ください。

派遣先管理台帳と労働者派遣個別契約書は同じものですか?
別の書類です。労働者派遣個別契約書は、派遣の業務内容や期間、就業条件などを派遣元と派遣先の双方で取り決める契約書であり、労働者派遣法第26条が根拠条文となります。これに対して台帳は、派遣先で派遣社員が実際に就業した実態を派遣先側が記録する書面で、第42条に基づくものです。個別契約書を台帳の代用にすることはできず、性質が違うため、それぞれ独立して整備・保管する必要があります。
派遣先管理台帳は派遣会社が代行して作成してもよいですか?
派遣先管理台帳の作成義務は派遣先企業にあるため、責任の所在は派遣先のままとなります。ただし、実務上は派遣元(人材派遣会社)が記載項目のフォーマットを提供したり、記入の一部をサポートしたりするケースがあります。代行を依頼する場合でも、最終的な記載内容の確認と保管・通知の責任は派遣先に残るため、運用ルールを派遣元と擦り合わせておくことが重要です。
派遣先管理台帳の電子データ保管は認められていますか?
派遣先管理台帳は紙でも電子データでも保管が可能です。電子データの場合は、調査時に速やかに出力できる状態を保ち、改ざんを防止する管理が求められます。Excel、専用システム、クラウドストレージなど、自社の運用に適した方法を選択できます。タイムカード等の関連資料も同様に電子データで保管している場合は、台帳と紐づけて管理することが推奨されます。
派遣先事業所の合計人数が5人以下の場合は本当に作成不要ですか?
労働者派遣法施行規則第35条第3項により、派遣労働者の数と派遣先が雇用する労働者の数の合計が5人を超えないときは、派遣先管理台帳の作成および記載を行うことを要しないとされています。なお、人数の変動により5人を超えるタイミングが生じる可能性がある場合は、任意で台帳を整備しておくと実務上は安全です。例外規定に該当するかの判断は派遣先事業所ごとに行うことになります。
派遣社員から苦情の申し出を受けた場合はどう記載すればよいですか?
苦情の申し出を受けた年月日、苦情の内容、苦情の処理状況の3点を、対応の都度、派遣先管理台帳に記載します。記載後は派遣元事業主へ通知する必要があり、再発防止の対応もあわせて検討します。苦情処理は単発で終わらせず、派遣社員の就業環境改善や派遣元との連携強化につなげる視点で運用するとよいでしょう。
労働者派遣法の改正で追加された記載項目は何ですか?
2020年4月の改正により、「協定対象派遣労働者か否かの別」と「派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度」の2項目が追加されました。前者は同一労働同一賃金の対応として、賃金決定方法が労使協定方式か派遣先均等・均衡方式かを区別する記載です。後者は役職名、部下の人数、決裁権限の範囲などを具体的に記載します。旧式のフォーマットを使い続けている場合は、最新の様式への更新が必要です。
※参照: 労働者派遣事業に係る法令・指針(厚生労働省)
派遣先管理台帳のフォーマットはどこで入手できますか?
厚生労働省や各都道府県の労働局のウェブサイトで、参考様式が公開されています。代表的なものでは東京労働局が「労働者派遣事業に係る契約書・通知書・台帳関係様式例」をExcel形式で提供しています。自社のフォーマットを作成する場合も、公的機関の様式例を参考にすると記載事項の漏れを防ぎやすくなります。派遣管理システムを導入している場合は、システム標準の帳票機能を利用するのも選択肢の一つです。
派遣管理システムを使うと、台帳運用はどう変わりますか?
派遣管理に特化したシステムを使うと、契約情報・スタッフ情報・勤怠データから派遣先管理台帳の記載項目が自動連携され、項目ごとの手入力やExcelの転記が減らせます。月次通知の漏れ防止、苦情処理や教育訓練の都度記録、3年間の保管管理、抵触日の管理などをシステム上で一元化できるため、属人化を抑えながら適正な運用を維持しやすくなります。スタッフエクスプレスのように中小派遣会社の運用に適した製品では、データ移行のサポートも受けられます。

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まとめ:派遣先管理台帳を正しく理解し、運用ミスのない労務管理を

派遣先管理台帳は、派遣社員を受け入れる側の企業が派遣労働者ごとに作成すべき法定書類であり、根拠は労働者派遣法第42条にあります。求められる対応は、就業実態の記録、3年間にわたる保管、派遣元事業主に対する月次の通知の3本柱です。2020年4月の改正で「協定対象派遣労働者か否か」「責任の程度」が追加されたほか、苦情処理は都度記載・通知が必要となります。記載項目の漏れや通知忘れは30万円以下の罰金の対象となるリスクがあり、労働局調査でも確認の重点項目となります。

派遣先管理台帳の運用を確実なものにするには、記載事項の網羅・月次通知・3年間保管・苦情処理の都度記載という基本ルールに加え、監査対応チェックリスト視点での定期点検を組み合わせることがポイントです。Excel管理で属人化している場合は、派遣管理システムによるデータ連携で、運用負担を抑えながら適正な状態を維持しやすくなります。派遣先・派遣元の双方が連携し、派遣社員にとって安心できる就業環境と、コンプライアンスを両立する台帳運用を実現していきましょう。

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