人材派遣会社を起業するなら要チェック!起業に必須のものまとめ

働き方が多様化する昨今、派遣という働き方を選択する求職者が増え、派遣スタッフを活用する企業も増加傾向にあります。
しかし人材派遣の業界は市場が大きく、起業するためには様々なハードルを乗り越えていかなければなりません。
ニーズが高まる人材派遣の事業に参入するためにはどんな点に気を付けなければならないのでしょうか。
そこで今回は事前にチェックしておくべきことを紹介していきますので、人材派遣の会社を起業するための基礎知識として、お役立てください。

人材派遣会社の起業で最初に受講すべき「派遣元責任者」講習

人材派遣の会社を起業する際には、後述する労働者派遣事業許可申請において必須となる「派遣元責任者」講習を受講しましょう
派遣元責任者とはどのようなことを行うのか、また講習を受けるためにはどのような準備が必要なのかを説明します。

派遣元責任者とは?

派遣労働者の保護や雇用の安定を目的として制定された「労働者派遣法」において、人材派遣の会社を起業する際には、適正な雇用管理を確保する目的で「派遣元責任者」を選任することが定められています
人材派遣において、派遣元責任者の主な役割は、派遣スタッフの労務管理や個人情報管理に始まり、派遣スタッフに対する教育訓練やキャリアコンサルティング、相談や苦情などへの対応、派遣先との連絡調整役など多岐に渡ります。
また起業する際に必要な派遣元責任者は誰でもなれるわけではなく、一定の要件が必要です。
派遣元責任者講習の受講が3年以内であることに加え、一定の雇用管理などの経験が必須となります。

このように人材派遣にとって重要な派遣元責任者になるための講習とは、一体どのように行われるのでしょうか。

派遣元責任者講習の受け方

派遣元責任者講習は、厚生労働省によって定められた複数の機関によって随時開催されており、会場、日程など、自身の都合に合わせて受けることができます。
まず、希望する講習会場へ申し込みフォームから手続きを行います。
受講料はそれぞれ機関によって異なっておりますので、期日内に振り込み手続きをすると、後日「受付確認書(受講票)」が送付されてきます。
講習当日は、受付確認書(受講票)と運転免許証やパスポートなどの公的身分証明書が必要となりますので、準備しておきましょう。
派遣元責任者講習は、通常であれば休憩を挟みながら10時から17時まで、1日のみで終わります。

受講が修了すると「受講証明書」が発行され、派遣元責任者の資格として3年間有効となります。
当然ながら起業する時に受講してから3年が経過した後、引き続き派遣元責任者となるためには再度受講する必要があります

人材派遣会社を起業する際に必須の「労働者派遣事業許可」

人材派遣を事業内容とする会社を起業する場合、労働者派遣事業許可を受ける必要があります。

労働者派遣事業許可とは?

人材派遣の会社を起業するためには厚生労働大臣からの許可を得る必要があり、それが労働者派遣事業許可になります。
以前は特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業があり、それぞれ異なった申請方法や条件がありましたが、2015年の法改正により一本化され、人材派遣を起業する場合は現在、一般派遣事業のみの申請となっています。 

労働者派遣事業許可の条件

人材派遣の会社起業にあたり必須である労働者派遣事業許可を受けるためには、4つの項目に分類された要件を満たさなければなりません
また起業の前提条件として、事業主や役員、監査役が欠格事由(労働法等に違反してから5年を経過していない等)に該当しないことが求められます。

起業する際の許可要件は主に以下の通りです。

 1. 特定の事業者に対してのみ人材派遣を行う目的ではないこと
 2. 雇用管理を適正に行う事ができる能力があること

キャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画がなされ、すべてのスタッフを対象として有給・無償で行われる必要があります。
また、スタッフを社会保険や雇用保険に加入させていることなどが該当します。

 3. 個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置ができること
 4. 人材派遣の事業を的確に遂行できる能力があること

資産要件として「基準資産額」が2,000万円×事業所数以上であることなど、規模によって詳細に条件が定められています。
また組織的要件として、派遣労働者数に応じた派遣元責任者が配置されていること、指揮命令系統が明確であることが求められます。
事業所の要件としては、事業所の面積がおおむね20㎡以上あること、風営法で規制する事業が密集する場所でない必要があります。

労働者派遣事業許可を取得する際の手数料

起業する時の労働者派遣事業の許可を得るためには、以下の手数料が必要となってきますので、あらかじめ把握しておきましょう。

  • 申請手数料(労働局へ提出する申請書類に収入印紙を貼付して支払う)
    12万円 + 5万5千円 ×(事業所数-1)

つまり、事業所が1か所なら12万円になります。

  • 登録免許税(事前に納付し、申請書類に領収書を添付する)
    許可1件あたり9万円

このように人材派遣の起業にあたっては、最低でも合計21万円が許可を取得するための手数料としてかかります。

労働者派遣事業許可の申請書類

基本的には労働者派遣事業許可の申請書類は以下の通りですが、起業する人材派遣の会社の条件によって必要書類が異なってきます。
そのため起業前に労働局に確認するのがおすすめです。

  • 労働者派遣事業許可申請書
  • 労働者派遣事業計画書
  • 参考資料(自己チェックシート、企業パンフレット等事業内容が確認できるもの、労働者名簿など)
  • 以下の添付書類

(法人の場合)
○定款又は寄附行為
○登記事項証明書
○役員の住民票
○最近の事業年度における貸借対照表、損益計算書など
○法人税の納税証明書

(個人の場合)
○住民票
○最近の納税期における所得税の確定申告書の写し
○納税証明書
○貸借対照表及び損益計算書(所得税青色申告決算書の写しなど)
○不動産の登記事項証明書及び固定資産税評価額証明書
○預金残高証明書

(共通)
○事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書など、権利関係を証する書類)
○就業規則又は労働契約の該当箇所の写し
○派遣労働者のキャリア形成を念頭においたマニュアル等
○派遣元責任者の住民票の写し
○個人情報適正管理規程

労働者派遣事業許可の申請手順

派遣元責任者講習を受講してから、主たる事業所を管轄する都道府県労働局へ、起業予定時期の2~3か月前までに必要書類を揃えて申請しましょう
その後の流れは以下の通りです。

  • 都道府県労働局で書類審査のうえ、事業所での実地調査が行われます
  • 当該労働局によって、申請に対する審査・調査の結果が厚生労働本省に送られます
  • 厚生労働本省において、さらに内容精査のうえ、厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問されます
  • 労働政策審議会からの答申を踏まえ、厚生労働大臣により許可・不許可が決定されます
  • 許可されると許可証、不許可の場合は不許可通知書が発行され、当該労働局を通じて申請者に交付されます

なお、労働者派遣事業の許可は更新制となっています。
許可を得て無事人材派遣の会社を起業できてもそれで終わりではなく、初回3年、2回目以降5年と定められた更新時期に合わせて、許可有効期間を更新する申請が必要です。
人材派遣の起業時における申請に比べると書類なども少なくなりますが、改めて審査も行われるので、直前に慌てないように計画的に準備しておきましょう。

人材派遣会社を起業する際にあった方が良いもの

続いては、人材派遣の起業にあたって必須ではないものの、企業としての社会的評価や経営戦略上あった方が良いものについてご説明していきます。

プライバシーマーク

プライバシーマークは登録商標のひとつで、個人情報の適切な取り扱いを行っている事業所であることを示すものです。
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) による所定の審査を受け、合格すると認定を受けることができます。

人材派遣の会社は起業時から派遣スタッフの個人情報を取り扱いますし、スタッフは派遣先で個人情報を取り扱う業務に就くこともあるでしょう。
人材派遣の会社として適切に個人情報を管理し、派遣スタッフに対しても個人情報保護に関する教育を実施できる体制を整えておくべきです。
このような取り組みによって、人材派遣の起業間もないスタートアップ企業であってもプライバシーマークを取得しておくことで社会的な信頼が得られやすくなります。
派遣スタッフの求人募集時や派遣先企業への人材派遣の際にも、業務を円滑にする一助となるでしょう。

優良派遣事業者認定

派遣スタッフの処遇改善やトラブル予防などを目的として、派遣スタッフと派遣先の双方に安心できるサービスを提供できている人材派遣の事業者を認定するために設けられた制度です。
厚生労働省から委託を受けた運営受託団体などにより審査、認定が行われます。
なお、先述した労働者派遣事業の許可を受けた後に3年以上の人材派遣の事業実績があることが要件の一つとされているため、起業時には申請できません。
人材派遣の起業後3年が経過したら、申請を検討するとよいでしょう。

認定基準は大きく以下の4つです。

  • 事業体に関する基準
  • 派遣スタッフの適正就労とフォローアップに関する基準
  • 派遣スタッフのキャリア形成と処遇向上の取り組みに関する基準
  • 派遣先へのサービス提供に関する基準

書類審査において要件を満たしていることが確認され、訪問審査において現場確認やヒアリングなどを行った結果、基準を満たしていれば認定を受けることができます。
有効期間は3年間で、その後も認定を受けるためには更新が必要になります。

eラーニングシステム

先述した労働者派遣事業許可の基準に「派遣労働者のキャリア形成支援制度を有すること」が含まれることから、起業時から派遣スタッフに対して人材派遣の会社が教育訓練を行う必要がでてきます。

人材派遣という特性上、従事する業務や必要とされるスキルも派遣先によって異なるうえ、派遣スタッフが起業時点で保有しているスキルや習熟度などもまちまちです。
そのような状況で、人材派遣の会社主催で一律に教育研修を実施するのは、現実的にはかなりのコストと労力を必要とするうえ、効率的・効果的な教育は難しいでしょう。
派遣先企業と連携し、OJTを兼ねて教育研修をしてもらうことも一つの方法ですが、必ず派遣先企業の協力が得られるとも限りません。

そこで役立つのがeラーニングシステムです
インターネットを活用して教育訓練を実施できるシステムであるため、派遣スタッフのスキルに合わせて必要な研修を各自受講してもらうことができますので、起業時から効率的で無駄のない教育訓練が可能になるのです。
また、起業後に派遣先企業とのマッチングを行う際、所定のeラーニングによる研修の受講状況などによって客観的な指標を得られることもメリットとなるでしょう。

人材派遣管理システム

人材派遣の会社を起業した後、発生する業務は実に多岐に渡ります。
主に、派遣先企業にかかる業務、派遣スタッフにかかる業務、双方のマッチングや連携にかかる業務に大別されます。
まず派遣スタッフの勤怠管理・給与計算・支給という一連の業務だけを取ってみても、直接雇用の労働者を雇っている企業とは全く性質が異なってきます。
そもそも派遣スタッフは、契約内容や勤務条件が派遣先によって異なります。
そのため、スタッフ一人一人の業務内容を確認しながら、勤怠状況の報告と実態に差異がないか派遣先に確認し、承認を受け、そのうえで給与計算を行い支給します。
昔ながらのカードに打刻した勤怠管理表や、紙書類の契約書などをもとに対応していては、作業工数が膨大になってしまうのは明白です。
しかも人材派遣の会社を起業した後、派遣スタッフや派遣先企業が増えて事業が拡大するに従い、業務はより煩雑になっていきます。

人材派遣の会社の起業にあたっては、契約管理、勤怠管理、給与管理などを効率的に行うために、可能な限りシステム化しておくようにしましょう。
このような人材派遣の会社のニーズに特化して、それらを一元管理できる「人材派遣管理システム」を起業のタイミングで導入しておけば万全です。

全業務を網羅した人材派遣管理システム「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」

人材派遣管理システム「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」は、人材ビジネス向けにさまざまな内容のサービスが多数備わっています。
自社の事業規模や実際の業務内容などにフィットしたサービスを選択できるようになっているため、起業しようとするスタートアップ企業を含め多くの人材派遣の会社から選ばれてきました。

例えば業務基幹システムである「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」であれば、人材派遣において必須である派遣、請負、紹介の業務管理から、受注~会計システムへの橋渡しまでワンストップで行えます。
また、先述したeラーニングによる教育訓練にも活用することが可能になっていますので、別途教育用のシステムを構築することなく、かつスタッフの受講状況や習熟レベルの管理も一貫して行える点も大きなメリットになります。
他にも業務に直接影響する法改正への対応や、システムのブラッシュアップを常に行いながら、クラウドでつながるサポート体制を用意していますので、人材派遣の起業間もないスタートアップ企業のお客様にも安心してご利用いただけます。

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まとめ

人材派遣の起業にあたっては、手続きを滞りなく進めることはもちろん、人材派遣の業界の実情に即して現場で役立つものを積極的に取り入れていくことが成功する秘訣です。
人材派遣の会社を起業した後に慌てないように、スムーズな起業から営業開始、さらにその後の会社の成長のためにベストと思える環境を整えておきましょう。