外国人派遣における情報管理を一元化!法令遵守と効率アップを実現した事例
外国人雇用に対するニーズが高まっています。
少子高齢化に伴う人手不足を補いたい、国籍を問わず優秀な人材を確保したいなど、理由は様々あります。
しかしながら外国人の雇用にあたっては、情報管理や法律関係の手続きが煩雑であるなど、日本人を雇用する場合と比較して手間がかかることも事実です。
そこで、直接雇用するのではなく、人材派遣会社から外国人労働者を受け入れたいと考える企業も増えてきました。
今回一つの事例としてご紹介するA社は、そういったニーズに応える人材サービス企業です。
食品製造業の業務請負、人材派遣、人材紹介に特化した事業を行っていますが、稼働スタッフ約2,500人のうちの7割以上が外国人です。
当記事では、外国人派遣特有の情報管理に起因する課題を抱えていたA社が、人材派遣管理システムによる情報の一元化によって法令遵守と効率アップを実現するまでのプロセスについてご紹介します。
人材派遣管理システム導入以前の課題
まず、外国人を雇用する場合、どういった手続きが発生してくるのかご説明しておきましょう。
雇用時に最低限確認する必要があるのが、パスポートや在留資格カードです。
パスポートによって、身元が証明され入国が許可されている人物かどうか確認するのはもちろんのこと、在留カードに記載されている在留資格を参照し、どういった種類の労働が可能なのか確認する必要があります。
在留資格に応じて在留可能な期間が定められているほか、留学生の場合は週28時間を超えない労働であることなどが法令で定められているため、そういった規定に違反することのないよう常に管理しなければなりません。
そんななか、A社では、配置業務のみ行う営業所とは別に設けられた事務センターで契約から勤怠、請求、給与業務を運用していました。
運用にあたっては、ある派遣パッケージソフト(旧システム)を利用していましたが、外国人管理に対応していないものでした。
そのため補助的に別途資料を作成することとなり、パスポートや在留カードなどの画像データについては別途ファイルサーバーに保管することで対応してきました。
複数のツールに情報が分散した結果、以下の2つの課題が浮かび上がってきました。
- 外国人管理が不十分
旧システムでは外国人の在留資格、ビザなどの詳細情報を登録できないため、備考に記入することで対応していましたが、登録者の入力方法がまちまちであったりしたために思うように検索することができませんでした。
留学生の労働時間制限についても未対応だったため、週28時間を超えないかどうかを確認しながらスタッフを配置する必要がありました。
本来であればシステム上で完結すべき業務にもかかわらず、別途資料を作成して情報を管理しなければならないため、事務センターのスタッフの業務を圧迫していました。 - サーバートラブルが多発
画像データ保管用ファイルサーバーの老朽化によって、システムに負荷がかかると頻繁にサーバーダウンが発生していました。
そのたびに業務が滞ることも問題でしたが、A社には情報システム部がなく一人の担当者にサーバーの運用がすべて任されていたために、業務の属人化やリスク管理といった観点においても問題がありました。
この2つの課題が発生するに至った主な要因は、A社が利用していた旧システムが外国人管理に対応していなかったことにあります。
それを補填するために資料やファイルサーバーといった別のツールに情報が分散したことで、二次的な課題が発生していったといえます。
人材派遣管理システムを選んだ際に重視した点は?
このような経緯から、A社の事例では、人材派遣管理システム選定にあたり以下の2つの点を重視しました。
スタッフ登録機能が外国人の登録に対応していること
旧システムの問題点は、スタッフ登録機能が外国人の登録に対応していないことにありました。
他のツールに情報を分散させることなく、外国人スタッフの管理に必要な情報を入力できる機能を備えていること、さらに外国人留学生の労働時間制限に対応しているシステムであることが求められます。
クラウド型であること
自社ファイルサーバーや、社内システムに導入するパッケージソフトの場合、それらの保守管理を担う担当者または担当部署の設置が必須です。
担当者に万一のことがあった場合や担当者が対応できないトラブルが発生した場合などを想定すると、以前のA社のようにそれらの任務を一人の担当者に一任することは避けるべきでしょう。
したがって、自社での保守管理の必要のないクラウド型の人材派遣管理システムに転換すべきと考えました。
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)導入による効果
検討の結果、外国人管理に対応したクラウド型人材派遣管理システム「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」が導入されました。
従来の「旧システム・資料・ファイルサーバー」の3つのツールを併用するシステム構成から「STAFF EXPRESS」一つへすべての情報を集約した結果、A社にはどのような効果があったのでしょうか。
法令を遵守した外国人スタッフの配置
STAFF EXPRESSでは、スタッフマスタで国籍だけではなく、パスポート、在留資格、ビザ、留学教育機関に関する情報もすべて管理できます。
画像データで保管する必要のある在留資格カードやパスポートのほか、外国人雇用状況届書にも対応しています。
さらに、外国人留学生に適用される就業時間制限のチェックもSTAFF EXPRESS側で実行されます。
手作業による、資料や勤怠状況の確認作業が不要になったことで、確認漏れなどによるミスがなくなりました。
常に法令を遵守しながら効率的に外国人スタッフを配置できるようになったのです。
サーバー管理の業務丸ごとカット
STAFF EXPRESSでは、インターネット経由でスタッフエクスプレスが利用できるクラウドサービス「スタッフエクスプレスDB.CLOUD」を利用できます。
A社ではファイルサーバーを置く必要がなくなり、さらに「スタッフエクスプレスDB.CLOUD」では監視や日次バックアップの運用は提供元である当社が行うため、A社内でのシステム管理業務を丸ごとカットすることができました。
さらに、サーバートラブルが発生せず、24時間365日システムを利用できるようになったことで社員満足度も向上するという派生効果も生まれたのです。
業務効率アップ
先に挙げた二つの課題がクリアになったことで、業務効率は劇的にアップしました。
外国人スタッフ用の資料作成、ファイルサーバーでの画像データ管理とサーバーの保守管理、外国人スタッフ配置時の勤怠状況チェックといったいくつもの作業が不要になったのです。
さらに、手作業で資料に転記したり勤務時間をチェックしたりする場合、どうしても人的ミスの発生は避けられませんでしたが、これらの作業が不要になりミスがなくなったことも業務効率化に繋がりました。
費用の削減
業務効率化によって本来不要な作業を削減できたことは、人件費削減に直結しました。
さらにファイルサーバーが不要になったことでハードウェア関連費用が削減できたほか、資料作成にかかる消耗品費等も不要となり、トータル的に大幅なコストダウンに成功しました。
今後のSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)活用予定
以上のように、STAFF EXPRESSによる導入によってA社には様々な効果がすでに見られていますが、今後更に活用していきたい点があります。
それはエントリーシートの転記作業です。
A社では現在、面接の際に応募者に記入してもらうエントリーシートの情報を、後でSTAFF EXPRESSのスタッフマスタに転記するかたちでスタッフ登録を行っています。
外国人応募者の多いA社では、この転記作業に苦労している状況です。
STAFF EXPRESSの募集採用クラウドサービス「ENTRY(エントリー)」は、応募者がWEB登録した内容をそのままスタッフマスタに連携できる機能を備えています。
「ENTRY(エントリー)」は現時点で外国語対応していませんが、今後外国語対応した際、A社ではさらなる作業効率向上のためにこれを活用したいと考えています。
本導入事例から学ぶ、人材派遣管理システムの必須条件とは?
A社の事例から見えてくる、人材派遣管理システムに求められる必須条件とはどのようなものでしょうか。
A社の場合は「外国人管理に対応していること」「クラウド型であること」を選定基準としていましたが、ほかの多くの人材派遣会社にも当てはまるであろう3つのポイントに落とし込んで考えてみましょう。
すべてを一元管理できること
A社の事例において明らかに問題となっていたのが、情報の分散です。
情報が分散すると、単純に作業工程や管理の手間が増えること、必要な情報がどこにあるのか探しづらく作業に時間がかかること、転記や修正においてミスや齟齬が発生する可能性があるなど様々な弊害が生まれてきます。
一つの人材派遣管理システムにすべての情報を集約し一元管理できることは、トラブルを防止しながら最も効率的な運用を目指すにあたって必須であるといえるでしょう。
オールインワンパッケージであるSTAFF EXPRESSであればそういった情報の一元化がかなうだけでなく、派遣、請負、紹介の業務管理から、受注~会計システムへの橋渡しまでワンストップで行えます。
クラウド型システムであること
人材派遣管理業務を社内システムや自社ファイルサーバーなどを利用して行うことも可能ではありますが、日常的なメンテナンスからトラブル対応までの保守管理をすべて自社で行う必要があります。
そういった対応はA社のようにシステム専門部署を持たない企業では難しいでしょう。
また一般的に自社サーバーの場合拡張しづらいことが多く、事業拡大・スタッフ増加などに伴って容量不足に陥り、いずれは老朽化といった問題に直面することになってきます。
クラウド型システムであれば、サーバーの拡張性が比較的高く臨機応変に対応できます。
システム関連に強いスタッフがいない企業でも日々のメンテナンスをサービス提供ベンダーに任せることができますので、安心して導入できます。
STAFF EXPRESSなら日常メンテナンスに加え、保守の範囲内で法令改正に対応していることはもちろん、継続的なブラッシュアップ(品質向上)を行っていますので常に万全の体制を整えることができます。
操作が簡単であること
便利な機能を備えたシステムであっても、操作が難しくて活用できなくては意味がありません。
あくまで業務をスムーズに進めるためのツールとして、誰でも簡単に操作できるシステムであることは必須です。
STAFF EXPRESSは、初心者の方でも直感的に操作できるよう工夫された画面デザインによって、徹底的に分かりやすさを追及したインターフェースになっています。
まだまだある、STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)の豊富な機能
A社でかつて利用していた旧システムでは、スタッフマスタに登録できる情報が限られていました。
STAFF EXPRESSのスタッフマスタ登録なら、今回問題となった外国人スタッフ特有の情報の他にも、多様な管理項目をカバーしながら電子ファイルと紐づけできる機能も備えているため、人事ソフトとしてご利用いただいても不足のないものになっています。
また、人材派遣においては様々な種類の法令書類を扱うことになりますが、STAFF EXPRESSでは受注や配置データを基にした法令帳票を出力できる機能を備えています。
発行する書類のレイアウト設定から、発行履歴表示、発行書類の自動保管などにも対応しています。
さらに発行状況を一覧で確認できる機能を活用すれば、発行漏れを防ぐためのチェック作業も効率的に実行できるでしょう。
STAFF EXPRESSでは、他にも人材ビジネスに求められる様々な機能やサービスを豊富に用意しています。一般派遣、正社員派遣、常用型派遣、技術者派遣、無期雇用派遣などに対応しています。
今回事例としてご紹介したA社のケースにおいて期待を寄せられていた「ENTRY」の他にも、NEO、PARTNER、AGECYといった様々な付帯サービスをクラウド上で連携させることで、より各企業にフィットした包括的システム体系を構築できるようになっています。
ぜひサービスサイトにて詳細をご確認ください。
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)の詳細はこちらからご覧ください。
まとめ
今回のケースでは、旧システムの機能不足から、補助的にサーバーを追加し、それが老朽化することで更なる問題を引き起こすという悪循環がありました。
A社の場合、「外国人スタッフが多いから仕方ない」「この体制でなんとか対応していくしかない」と思い込まず、どういった経緯で発生した課題で本質的な原因はどこにあるのかを掘り下げたことで課題解決に至りました。
企業が成長するためには、企業としての柔軟性に加え、それに応えられるカスタマイズ性の高い人材派遣管理システムが大きな役割を果たすということが分かる好事例だったといえるでしょう。