人材管理・人事管理はエクセルでできる?注意点を解説

2024年2月9日人材業の課題解決

人材管理や人事管理は、企業にとって大変重要な情報です。従業員の配置を最適化し、育成することは、企業成長には欠かせません。

この人材管理・人事管理にエクセルを活用することはできるのでしょうか。エクセルなら、誰でも手軽に使えて費用がかからないというメリットが得られますが、一方で注意すべきデメリットもあります。

今回は、エクセルを使用した人材管理・人事管理について解説します。

 

人材管理、人事管理とは

まずは「人材管理」と「人事管理」の違いを理解しておきましょう。

人事管理と人材管理は同義として用いられることもありますが、本来の意味には違いがあります。

 

人事管理は、従業員の採用から育成、そして退職までの流れに対して生じる業務管理を意味します。勤怠管理や給与計算を行い、適切な報酬福利厚生を提供しながら従業員のモチベーションを高める勤めも含まれています。適切な人事管理は、企業と従業員双方にメリットを与え、エンゲージメントを高める効果が期待できます。

一方、人材管理は、現在所属している従業員にはどのようなスキルを持つ人材がいるかを把握し、人材をどのように活用するかにフォーカスするものです。人材を有効活用することで、事業や企業を発展させることを目指したものとなります。

近年「人」は、企業にとって欠かせない力として注目されています。労働人口減少も叫ばれるいま、限られた人材を活かすための取り組みは欠かせません。こうした背景もあり、人材管理はこれまで以上に重要視されるようになりました。

 

エクセルでできる人材管理や人事管理の例

人材管理や人事管理を行うためのツールについて、何を使うべきか悩むケースもあると思います。このとき、選択肢のひとつとして挙げられるのが「エクセル(Excel)」です。エクセルは多くの人が使い慣れたツールである上に、無料で利用できるテンプレートなども充実しているため、コストカットという観点からもメリットがあるツールです。

まずは、具体的にエクセルでできる人材管理・人事管理の業務例について解説します。

 

採用管理

採用管理をエクセルで行う場合は、応募者の基本情報をはじめ「書類選考中」「面接日」「選考プロセス」「内定」「不合格」といったステータスを項目ごとに設定すれば、進捗状況を把握可能です。選考プロセスや結果だけでなく、面接時の受け答えや印象に残ったコメントをメモとして残しておけば、その後の選考時にも役立ちます。

特に、連絡ステータスは管理が猥雑になりがちですから、応募者とのやりとりは「面接日連絡済」「採否連絡済」というように、ステータスは細かく記入しておくようにしましょう。

 

目標管理

目標管理は、評価や人材活用のために利用する項目です。エクセルを使って目標管理シートや人事評価シートを作成することにより、従業員一人ひとりの「目標」「実績」「評価」を管理することが可能です。

従業員が設定した目標に対し、どのようなアプローチをすれば実現可能か、またはどのようなプロセスを経て目標達成したかを記録しておきます。従業員自身も、現在の進捗状況や課題となっていることが可視化されることにより、モチベーションを維持しやすくなります。

 

勤怠管理

勤怠管理にエクセルを用いる場合は、計算式を設定しておくことで勤怠管理や残業時間算出の自動化が可能となります。手入力で計算するよりも正確に、効率よく管理が可能です。

出退勤、病気欠勤、有給休暇、特別休暇などの状況把握も簡単にできるように設定しておけば、給与計算や人事評価の際にも役立ちます。

 

スケジュール管理・目標管理

エクセルで従業員一人ひとりの仕事の進捗状況や、今後の予定を管理することも可能です。従業員同士がスケジュールを把握できれば、他のメンバー状況も把握できるため、相談ごとや依頼がある場合も時間的に余裕を持って行動できるようになります。

「部下の進捗スケジュールを知りたいが、声かけのタイミングが難しい」と考える上司にとっても、エクセルで管理されていれば確認しやすくなり、これは大きなメリットといえるでしょう。

部下の状況を把握し、理解したうえで指示出しもできるようになりますから、業務効率化につながります。

 

資格・研修履歴管理

従業員が保有している資格や、新たに取得した資格、受講した研修などの履歴もエクセルで管理することが可能です。一覧表を作成しておけば、従業員ごとのスキルを素早く確認できるようになり、人材育成に役立ちます。

なお、資格には更新が必要なものや、有効期限が定められているものもあります。そのため、エクセルでまとめて管理しておくことで、更新漏れや期限切れなどを防ぐ効果も期待できます。せっかく取得した資格ですから、従業員が保有し続けることは企業にとってもメリットです。従業員任せにせず、企業として管理することも必要と考えましょう。

研修に関しても管理が複雑になりがちですが、部署別や入社年次などに分類し、受講履歴などの履歴を残しておきましょう。そうすれば、必要なときに抽出しやすくなるため、管理が容易になります。

 

エクセルで人材管理や人事管理を行うメリット

エクセルは一般的に広く知られているなじみあるツールであり、操作できる人も比較的多い傾向にあります。無料テンプレートも多数用意されているため、手間やコストを削減することが可能です。

このようなメリット面について、以下にて詳しく解説します。

 

コスト削減

エクセルのテンプレートを活用することで、人事管理や人材管理のコスト削減が可能です。

エクセルは、マイクロソフト社のオフィスソフトの1つです。マイクロソフト社のオフィスソフトはほとんどの企業に導入されていますから、初期費用を抑えることが可能となります。人事管理や人材管理のためだけに新しいソフトを導入するよりも、ハードルが低いといえるでしょう。

 

使い慣れている人が多い

ほとんどの企業に導入されているということは、それだけ使い慣れている人が多いともいえます。操作に慣れている従業員が多いことが想定されるため、基本的な操作などに関する研修や教育といったコストも抑えることが可能です。

エクセルで人事管理や人材管理を行うことは、人的コストを抑えることにもつながります。

 

作り込みもできる

エクセルで人事管理や人材管理を行うメリットの中でも大きくプラスに作用するポイントとして、関数や計算式を活用することで人事管理を簡単に実施できる点が挙げられます。

労働時間をベースとした給与計算をはじめ、時間外労働のチェックや従業員の社会保険料算出も、エクセルだけで完結することが可能です。複雑な給与計算や保険料算出がエクセルの既存の機能だけで対応できるというのは、大きなメリットといえるでしょう。

また、CSVに変換できる点も、エクセルの強みです。一般的に、多くのシステムではCSVを取り込む機能が搭載されていますから、CSVに書き出すことで他のシステムにデータを簡単に移行することが可能です。

 

エクセルで人材管理や人事管理を行うデメリット

人材管理、人事管理をエクセルで行う場合のさまざまなメリットについて紹介してきましたが、使い方次第ではエクセルならではのデメリットが発生するリスクもあります。

エクセルで人材管理、人事管理を行う際には、以下の点に注意してください。

 

セキュリティ面のリスク

エクセルで人材管理・人事管理を実施する場合、セキュリティに関して細心の注意が必要となります。エクセルは、ソフトとしてセキュリティがあまり高くありません。パスワード制限をかけたとしても、セキュリティは万全とはいえないのです。

 人材管理・人事管理では、個人情報を多数取り扱います。誤送信や不正アクセスなどによる情報漏洩・改ざんには、細心の注意が必要と考えてください。

まずは社内における取り扱いルールを徹底し、アクセスできる人数は最小限にとどめましょう。特定の権限のある人だけがアクセスできるように設定することで、安全性を高めるなどの工夫が必要です。

 

入力に手間がかかる

エクセルを利用して管理を行う場合、多くの項目の入力が手作業になり、効率が悪いことがあります。入力が必要なファイルが複数あると、その分作業の手間がかかります。

また、手作業での入力はミスが起きる可能性も高まります。

 

ファイル管理が煩雑

エクセルはファイル管理が複雑になりがちで、人為的なミスが発生しやすい面もあります。

共有フォルダでファイルを管理していても、ファイル複製が可能なためどれが最新の正しいファイルかが分からなくなるケースもあります。複数のユーザでの入力を行うと、どうしても人為的ミスや確認漏れが発生しやすい傾向にあるので、注意深く作業する必要があると考えましょう。

こうした確認作業にも時間や手間が必要となり、業務効率が悪化してしまう可能性があります。

 

できることに限界がある

エクセルを利用した人材管理・人事管理を行うためには、労働基本法などの法改正に精通し、適宜設定をし直す必要があります。

また、個人情報保護法の観点から考えると、従業員の人事情報に関しても個人情報として扱う義務があります。エクセルで人材管理・人事管理を行うと、ファイル盗難や破損のリスクや、担当者の判断次第で管理方法が変更される可能性などもありますから、注意が必要です。

 

人材管理・人事管理には「人材管理システム」の利用がおすすめ

このように、人材管理・人事管理をエクセルひとつでこなすことはメリットもある反面、注意すべきデメリットも複数あります。

さらなる効率化を目指すのであれば、おすすめは「人事管理システム」を導入する方法です。

人事管理システムは、人材の採用から育成、評価、勤怠、給与計算といった人事や労務における人材データを一元管理するシステムです。エクセルでの人材管理・人事管理では脆弱だった部分をカバーし、より効率よく人材管理・人事管理を行うことが可能となります。

 具体的には、以下のようなメリットがあります。 

  • 人材(従業員)の情報を一元管理できる
  • 人事評価機能で従業員のスキルや業績を分析できる
  • 書類の自動作成
  • ペーパーレス実現
  • セキュリティ強化 など

とくに、従業員情報を扱うということは、マイナンバーなどの個人情報を取り扱うということでもあります。システムを利用することで、セキュリティは強固なものとなり、大事な情報を守ることにもつながります。

 

人材管理システム『STAFF EXPRESS』で人材管理・人事管理を効率化

STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)は、多様な機能を網羅している人材管理システムです。人材派遣をはじめ、人材紹介、業務請負などの人材ビジネス、人材管理に課題を感じている企業に多く導入されています。認定インストラクターによる導入指導やサポートが充実している点も、評価されるポイントとなっているでしょう。

機能面においても、リリース開始当初から現在に至るまで、STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)は導入企業からのニーズをヒアリングし、反映させながら1万回以上もの機能拡張を実施しています。また、機能カスタマイズにも対応しており、専属スタッフがヒアリングを行ったうえでニーズに応えるプログラム改修を実施しています。IT担当者がいない企業でも導入しやすく、ユーザに寄り添った人材管理・人事管理が実行できるシステムです。

 

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人材管理システム導入で社内に存在する「人財」に気づくことも!限られた人材で企業成長を実現しよう

「システムを導入する」と聞くと、おおごとのように感じるかもしれません。IT人材が不足している企業の場合は特に、ハードルが高いと感じるでしょう。

社会的にもDX化が進む今、システム導入は今後の企業成長を大きく左右することが予測されます。最初の一歩は困難に感じるかもしれませんが、まずは相談してみることから始めてください。

社内環境整備は、従業員の会社への思いを強め、エンゲージメントにつながります。効率よく、より効果的な人事を行うために、自分たちにとって何が最善かを見極め、動き出しましょう。

 

 

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