人材派遣管理はパッケージシステムと自社制作システムのどちらがいい?両者の違いを比較

2023年8月9日

人材派遣管理にたずさわる方の業務は多岐にわたり、特にここ数年の法令改正などにより業務の負担は大幅に増えています。そのような業務の負担を軽減してくれるのが、人材派遣管理システムの活用です。

当記事では人材派遣管理システムの中でも特にパッケージシステムと自社制作システムの違いについてお伝えします。

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人材派遣管理システムとは

「人材派遣管理システム」とは、派遣業に関するさまざまな業務をまとめて管理できるシステムのことです。

人材派遣業においては、スタッフ情報の管理、オーダーされた案件の管理、各種契約書、勤怠、給与等々の情報を扱う必要があり、それぞれの担当部署や営業所が多岐にわたることも少なくありません。これらの情報を人材派遣管理システムひとつに集約し、管理することができれば、他のシステムにデータを再入力したり集計したりする手間が省け、業務を大幅に効率化することができます

 

パッケージシステムを導入する9つのメリット

人材派遣管理システムには、大きく分けてパッケージシステムと自社制作システムの2種類があります。

パッケージシステムとは、あらかじめ決まったパターンをいくつか組み合わせて利用する、既存のシステムを指します。一方、自社制作システムは、自社でゼロから作り上げていくものです。

スーツで例えると、パッケージシステムはセミオーダーあるいは既製品、自社制作システムはフルオーダーのシステムといえます。

双方にはそれぞれのメリットがありますが、ここではパッケージシステムに焦点を当てて紹介します。

 

経営効率の効率を図れる

システムの自社制作は最適解にたどり着くまでに何度も改修を行い、ノウハウを蓄積していくため、はじめから最適なシステム環境を構築するのは困難です。この工程には専門性の高い人材の確保が必要だったり、導入までに時間がかかったりと多くのコストを要してしまいます。

しかし、パッケージシステムを利用すれば、導入当初から無駄な工程を排除した効率的なシステムを使用でき、業務フロー全体にわたって一元化を図れます。結果として、販管費ならびに管理コストの削減を実現し、経営効率の向上が可能となるのです。

 

業務を標準化できる

人材派遣業の多岐にわたる業務全般をシステムでカバーするには、費用と人材の両面で多大なコストが要求されます。自社制作システムでは、特定のフローのみを対象とする部分的なシステム構築になる傾向があるため、システム対象外の業務は必然的に従来のマンパワーによる運営となり、システム化済みの業務との効率格差が生じてしまいます。加えて、それぞれの事務処理のルールや作業手順などを一部の担当者しか知らず、引き継ぎのたびに混乱が生じる事態にもなりかねません。

オールインワンのパッケージシステムを利用すればすべての業務を一括でシステム化できるため、担当者個人へ依存することなく、業務フロー全体の標準化・平準化が可能です。

 

メンテナンス費用が削減できる

パッケージシステムと自社制作システムの間では、費用が一桁異なることは珍しくありません。スーツの例でも触れましたが、自社制作システムはフルオーダーでシステムを構築していくため、導入費用が高額になります。一方パッケージシステムであれば、一から設計する必要がないため圧倒的にコストを抑えられるのです。

また、人材派遣管理システムにおいては導入時だけでなく、導入後の保守費用もかかる場合があります。パッケージシステムでは、保守費用が明記されているので、サービス範囲なども含めて調べましょう。自社制作システムの場合、まずは保守フェーズを専門とする企業に外注するのか、または自社のシステム部門などでまかなうのかを検討する段階が必要ですが、いずれにしても保守や更新のたびにコストがかかる点を留意しておきましょう。

 

運用ノウハウを得られる

最適な自社制作システムの構築には、ノウハウが欠かせません。しかし、パッケージシステムでは人材派遣業以外にも、さまざまな企業での過去の導入実績がフィードバックされています。そのため、業務の統廃合や合理化、効率的なシステム運用など、豊富なノウハウを導入してすぐに実践できるのです。

また、自社制作システムの開発・移行を目指している企業にとっては、先駆者のノウハウを効果的に学べる機会になるでしょう。

 

サポート体制が充実

自社制作システムにおいて、メンテナンスに必要なのは費用だけではありません。システムをカバーする業務の範囲が全体であれ部分的であれ、運用やメンテナンスで社内のシステム担当者の専門知識・手腕に依存する部分は多いでしょう。

万が一システム担当者が転職や休職、退社した場合、システムの不具合による業務の遅滞や停止、セキュリティリスクといった会社が背負うリスクは計り知れません。

パッケージシステムでは、専任のサポート体制による継続的な支援が得られます。他にも、リモートによる遠隔サポートに対応している場合があるため、担当者個人へ依存することなく充実したサポートを受けられます。

 

システムの陳腐化を防止できる

システムの拡張・更新スピードという点においても、パッケージシステムにはアドバンテージがあります。定期的にバージョンアップが提供されるバッケージシステムでは、自社で行う場合と比べて格段に早い機能拡張が期待できるでしょう。

一方、自社制作システムは自社の成長に必要な業務改革であったとしても、さまざまな理由から現状維持を前提とするため、時流に乗り遅れてしまう恐れがあります。パッケージシステムではそうしたシステム面の陳腐化防止をベンダーに任せ、自社は本業に集中することができるのです。

 

他社と差別化できる

パッケージシステムは、勤怠管理・給与管理システムなどの外部ツールとの連携だけでなく、警備員向けのスマートフォンを利用したコミュニケーションサービスなど、最新のトレンドに合わせたサービスを提供するベンダーが増加傾向にあります。

陳腐化防止と同様、自社制作システムでトレンドを追いかけながら機能拡張・連携を図っていくのは容易ではありません。この点においても、パッケージシステムは効果的といえます。

 

不具合の可能性を抑えられる

人材派遣管理システムに限らず、システムの利用中にサーバー障害などの不具合が生じた場合、広範な業務に支障をきたすでしょう。自社制作システムでは不具合が生じた場合、非常時の対応ノウハウが蓄積されていないため、原因の特定やエンジニアによる対処に時間を要してしまい、長時間にわたってサービス提供が困難となってしまうリスクがあります。

すでに業界での運用実績が確立されているパッケージシステムであれば、運用ノウハウだけでなく不具合修正のノウハウもシステム構築に生かされているため、不具合の発生リスク自体が低減されていると同時に、障害対応が迅速に行えます。

 

納期が短い

グローバル化・デジタル化が急速に進む近年の経済界においては、システムの刷新に早期に着手した企業ほど、ノウハウの蓄積による優位性が高いと考えられています。

そうした先行企業に対して少しでも後れを取らないためには、時間とコストをかけてゼロから開発しなければならない自社制作システムよりも、運用が既に確立されていて納期も短いパッケージシステムを利用する方が、スタートダッシュにおいて有利なのです。

 

パッケージシステムと自社制作システムの違い

人材派遣管理システムには、大きく分けてパッケージシステムと自社制作システムという2種類の形態があります。

簡単に言うとパッケージシステムは洋服で言うところのセミオーダーのようなシステムで、いくつかのあらかじめ決まったパターンを組み合わせるなどして利用するシステムのことです。一方の自社制作システムはオーダーメイド型のシステムで、一人一人のサイズを計測してスーツを作るように、最初から完全な自分仕様に仕立てることができるシステムのことです。

それではパッケージシステムと自社制作システムの違いについて、次の6つの項目で詳しく比べてみましょう。

 

柔軟性と拡張性

前述したようにパッケージシステムはあらかじめ用意された雛型を利用することになるので、自社制作システムと違い柔軟性や拡張性の面では劣ると言えます。一方、自社制作システムであれば、雛型ではなく最初から自社の好きなようにカスタマイズできるので柔軟性に富みます。

システムを利用しているうちに新たな機能が欲しくなったり、業務の種類が変化したりというような場合でも、将来的な機能の拡張性が望めます。

ただしパッケージシステムであっても自社に合うものをうまく選択できれば、柔軟性や拡張性についてはあまり重要視する必要がない場合も多くあります。またカスタマイズが可能なパッケージシステムもありますので、相談してみるとよいでしょう。

 

機能の豊富さ

自社制作システムはパッケージシステムと違い、機能についてもすべて自社の都合に合わせることができるため、極論を言えばどのようにでも作ることができます。一方、パッケージシステムではあらかじめ用意された機能を使うことになるため、自社でどのような機能が必要になるのかを整理して把握し、その機能を兼ね備えたパッケージシステムを選ばなくてはなりません。

ただ逆に言うと、自社制作システムと違いパッケージシステムでは多くの派遣事業でよく使われる機能をきちんと網羅しているので、今は必要がないと思っていても将来的に使う機能が兼ね備えられているとも考えられます

 

費用

パッケージシステムは自社制作システムと違い、一から設計する必要がないため圧倒的にコストを抑えることができます。先ほどパッケージシステムと自社制作システムの違いをスーツで例えましたが、金額面に関してもまさにスーツと同様で、金額が一桁異なることも珍しくありません。

また人材派遣管理システムにおいて、費用がかかるのは導入の時だけではありません。導入後の保守費用についても考えておく必要があります。多くのパッケージシステムでは保守フェーズにおける保守費用が明記されていますので、サービス範囲なども含めて調べておくとよいでしょう。自社制作システムの場合は、保守フェーズを専門とする企業に外注するのか、自社のシステム部門などでまかなうのか、検討しておく必要がありますが、いずれにしても保守や更新のたびにコストがかかることを計算しておかなければなりません。

 

導入のスピード

自社制作システムはパッケージシステムと違い、一からつくるため導入に至るまでに多くの時間を費やします。まず自社において必要な要件の洗い出しをし、そこからシステム開発の担当者とシステム設計の構築をし、運用前にはさまざまなテストを繰り返し、そこで問題が発生すればその都度修正をしなければなりません。したがって導入のスピードも必然的に遅くなりますので、何か問題解決をしたいと思ったとしても、そこから導入までに数か月、数年かかることもあります。

それに対してパッケージシステムは、多少のカスタマイズや導入研修などはあるものの、自社制作システムと違い、問題解決をしたいと思って利用を開始するまでのスピードを圧倒的に早めることができます

 

保守と更新

システム導入後に欠かせないのが、保守と更新です。特に人材派遣管理システムにおいては、システムそのものの変更点だけではなく各種法令の改正にも即座に対応しなくてはなりません。

パッケージシステムであれば、それらの保守や更新はシステムの提供元が行ってくれるため、ほとんど人材派遣事業者側での負担はありません。しかし自社制作システムはパッケージシステムと違い、保守や更新もすべて自社で行わなくてはなりません。

それらのノウハウが社内でうまく引き継げていればよいのですが、中にはノウハウが属人的していて自社内の担当者が離職した結果、自社制作システムが一切扱えなくなってしまうということも起きかねないというリスクがあるのです。

 

外部ツールとの連携

人材派遣事業者では、既に給与管理システムや勤怠管理システムを始めとした外部ツールを既に利用している企業が多いのではないでしょうか。人材派遣管理システムを導入するにあたっては、これらの外部ツールとの連携が不可欠になります。

外部ツールとの連携では、その外部ツールのシステムも理解しなくてはならないため、自社制作システムだと連携が難しくなる場合があります。一方、パッケージシステムは自社制作システムと違い、最近では外部ツールとの連携を前提としたものも多いため、連携が圧倒的にスムーズに運びます

また外部ツールの提供元の交渉や実際の繋ぎ込みといった作業も、すべてパッケージシステムの提供元に任せられるので、人材派遣事業者側の負担も少なくて済みます。

 

結局どちらがおすすめ?

ここまで人材派遣管理システムにおけるパッケージシステムと自社制作システムとの違いについてご説明しましたが、結局のところどちらがおすすめなのか、と思われる派遣事業者の方も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げれば、よほどのこだわりがない限り、パッケージシステムを選ばれることをおすすめします

初めて導入するならパッケージシステム

人材派遣管理システムを初めて導入するという場合には、特にパッケージシステムをおすすめします。

自社制作システムの場合は、パッケージシステムと違い、自社の業務内容をたな卸しし、要件を整理するところから始めなくてはなりません。そのため人材派遣管理システムをまだ導入したことがない方にとっては、システムで「できること」「できないこと」の切り分けが難しく、その作業自体が大変な負担になります。そのような状況でコストをかけて自社制作システムを構築したとしても、おそらく機能の過不足や操作性に問題が生じる可能性が高いでしょう。

一方パッケージシステムであれば、システムの提供会社がさまざまなノウハウを持っていますので、導入前に自社の業務内容に照らし合わせて必要な機能を確認することができます。その中で運用で乗り切るのか、カスタマイズが必要なのかどうか、カスタマイズする場合のコストパフォーマンスはどうなのかなども同時に検討できます。

また導入後のサポート体制がしっかりしている点も、自社制作システムとの大きな違いで、初めての導入ではおすすめしたい点です。パッケージシステムであれば、操作に戸惑ったり、運用で悩んだりしたときにも、サポートセンターに相談できるという心強さがあります。

そのようなことも踏まえて、初めて導入するパッケージシステムでは特にサポート体制が充実しているかどうかも見るべきポイントとなるでしょう。

利用中のシステムに不満があるなら別のパッケージシステムへの乗り換えを検討

派遣事業者の方の中には、今利用している人材派遣管理システムに不満があるものの、そのまま利用しているという方もいるのではないでしょうか。

しかしここ数年を見ても、派遣事業を取り巻く環境は大きく変化しました。またクラウドサービスが当たり前となり、派遣スタッフを含む一般の人々がスマートフォンなどのデバイスを日常的に利用するようになりました。

数年前にベストだと思って導入したシステムでも、派遣事業の内容や時代の変化に必ずしも対応できていない可能性があります。不満を持ちながら使い続けるよりも、思い切って別のパッケージシステムに乗り換えることを検討してはいかがでしょうか

一から要件定義をする自社制作システムと違い、パッケージシステムであれば既にあるデモンストレーションを利用したり、無料トライアルができたりするものがあります。利用中のシステムとの違いや、不満が解消されるかなどを実際に確かめてから導入することができるので、ぜひ確認してみてください。

どうしても理想を追い求めるなら自社制作を

初めての導入ではなく、さらに既存のパッケージシステムではどうしても解消できない問題がある、理想があるという場合には、自社制作システムを検討することになるでしょう。

ただし、前述したように自社制作システムはパッケージシステムと違い、コストが圧倒的にかかり、導入までの時間も長くなります。また保守や更新の面でも、パッケージシステムはサービス提供元が対応してくれるのと違い、自社制作システムではその都度自社で対応しなければならない点も非常に大きな負担になります。

パッケージシステムの中には、一部機能についてカスタマイズが可能なものもあります。理想とするシステムに近付けるようなカスタマイズができないか、まずはパッケージシステムの提供元の会社に相談し、それでも理想を追い求めるのであれば自社制作システムという流れがよいのではないでしょうか

費用、柔軟性、拡張性などすべてを求めるならSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)

費用はパッケージシステムとして抑えながらも、柔軟性や拡張性も求めたいというご要望にも応えるのが、弊社のSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)です。

STAFF EXPRESSは、人材ビジネス全般をカバーする、オールインワンパッケージの人材派遣管理システムです。人材派遣管理システム、人材紹介管理システム、業務請負管理システムに対応しており、人材事業運営に伴うすべての情報をクラウドで一元管理できる点が特徴です。

まず費用についてですが、もちろん自社制作システムの違いシステムと違い、パッケージシステムなのでコストを抑えることができます。それに加えてSTAFF EXPRESSのご利用プランでは、「ソフトウエア購入」プランと、月額で利用できる「サブスクリプション」プランの2種類を用意しています。おおむね2年以上の利用であれば購入後は保守費用のみの「ソフトウエア購入」プランの方がお得ですが、「サブスクリプション」プランであれば初期費用を抑えつつまずは利用してみるということができます。

またSTAFF EXPRESSはパッケージシステムでありながらも、柔軟性や拡張性に定評がある点が特徴です。常にシステムのブラッシュアップを行っており、サービス開始以来10,000点以上の機能拡張を行っています。有償にはなりますが、お客様の要望に合わせたカスタマイズも可能です。

STAFF EXPRESSは、単にシステムを提供するだけでなく、人材ビジネスに関するソリューションについても豊富なノウハウをご提供いたします。コストも時間もかかる自社制作システムを検討する前にぜひご相談ください。

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まとめ

人材派遣管理システムのパッケージシステムと自社制作システムの違いについてご紹介しました。初めて人材派遣管理システムを導入する事業者の方も、既に利用しているシステムに不満をお持ちの事業者の方も、まずは自社制作システムを検討する前にパッケージシステムの導入・乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。