リアルタイム仮払決済機能導入で業務効率の改善だけでなく、派遣スタッフ採用率と満足度も向上させた事例
人材派遣事業においては、派遣スタッフの満足度を高めることがとても重要で、そのことが定着率アップ、安定的な経営にもつながります。
そのため、多様な人材に即した仕事の紹介、条件面の調整の他、福利厚生とされるサービス部分に力を入れる必要があります。
その中でも近年派遣スタッフからのニーズが高いのが、給与の日払いや前払いサービスではないでしょうか。
特に短期派遣のスタッフでは月に一度か二度の給料日を待たずに働いた分はなるべく早く手にしたい、ということから、給与前払いサービスは主流になりつつあります。
しかしさらに一歩進んで、派遣スタッフが24時間いつでもどこでも給与を受け取れるサービスがあります。
それが、人材派遣管理システムに組み入れることができる「リアルタイム仮払決済機能」です。
本記事では、実際にリアルタイム仮払決済機能を導入した企業の事例を参照しながら、このシステムの特徴や、導入により得られた成果をご紹介します。
リアルタイム仮払決済導入以前の課題
A社は大阪の人材派遣会社で、全国に10拠点を持ち、稼働スタッフは約3000人の規模です。
派遣スタッフの主な業務としては物流、その他倉庫内作業、運搬業務、仕分け、ピッキングなどの軽作業にも幅広く人材を派遣しています。
では、A社ではリアルタイム仮払決済導入以前に、どのような課題があったのでしょうか。
派遣スタッフの手元に支給されるまでに時間がかかる
実はそれまでも、派遣スタッフへの給与支払いに、日単位でも仮払い対応してきました。
その仕組みは、派遣スタッフが作業の翌日に支店カウンターに来れば、対面で給与を支払うというものです。
もし仮払決済のシステムを利用することになれば、対人によらない銀行振込になります。
するとスタッフと内勤者との申請〜確認のやり取りに加えて、内勤者が銀行へ振込依頼する工程が増え、銀行口座への入金は翌営業日となってしまうことが懸念されました。
来店なら少なくとも翌日に対応できたものが、銀行振込では余計に1日以上かかり、実際に給与を受け取るまでのタイムラグが増えてしてしまいます。
少しでも早く給与を受け取りたいスタッフにとっては、支給までに時間がかかる点はサービス低下となってしまう懸念がありました。
派遣スタッフに対応する内勤者負担
派遣スタッフの立場を考えれば、従来の直接渡す方法に利点がありますが、そうではない事情もありました。
A社は国内10拠点のカウンターで対応をしていましたので、各支店の内勤者それぞれに、仮払の申請処理と派遣スタッフへの支給業務が発生していました。
直接対応していたことで、派遣スタッフが取りに来るまで支店で待機する必要もあります。
内勤者を管理する立場からみると、仮払い対応は時間と手間がかかり、残業が発生するなど非効率な面も否めませんでした。
オフィスでの現金管理のリスク
従来の支給方法は現金手渡しとなっていたため、現金を支店内で管理する必要もありました。
現金の入出金管理はもちろん、間違いが生じない体制作りを徹底していましたが、それが内勤者への業務負荷にもなっていました。
現金の取り扱いによる予期せぬリスクを常に抱え、キャッシュレス化が進む流れに逆行する向きもありました。
通常の銀行振込では手数料が高い
とはいえ、仮払いに銀行振込を取り入れた場合、その振込手数料についても懸念されます。
通常、3万円未満では振込手数料が216円以上かかります。(※銀行によって異なります)
A社では仮払の振込手数料は派遣スタッフ側の負担となるため、仮払の振込依頼数が増えるほど、スタッフの手数料負担が増すこととなります。
振込手数料が天引きの扱いになれば、せっかくの給与が目減りしてしまいます。
それでは派遣スタッフが仮払決済を利用しないのではないか、サービスの低下と受け止められてしまうのでは、と思われたのです。
リアルタイム仮払決済機能を選んだ際に重視した点は?
これらの課題や懸念を抱え、仮払い対応しながらも、その仕組みを変えられずにいた方法のA社ですが、弊社が提供するSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)の「リアルタイム仮払決済機能」ですべての課題が解決できたのです。
A社がこのサービスを採用するのに重視したポイントは何だったのでしょうか。
リアルタイム性
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)の「リアルタイム給与前払24」は、派遣スタッフが仮払申請すると同時に、スタッフの銀行口座に着金するシステムです。
派遣スタッフが利用する「STAFF EXPRESS NEO(スタッフエクスプレス ネオ)」のアプリから簡単に仮払申請することができる上、リアルタイム(即時)に振込が決済されるのです。
従来は人の手を介していた振込手続きをこのシステムが代行することで、24時間365日対応可能となりました。
仮払いの概念を覆すリアルタイム性を実現したことで、申請から入金までのタイムラグの懸念が、払拭されたのです。
圧倒的な低料金
新しいシステムの利用料金と費用対効果は、採用を見極める上で重視するポイントとなります。
そこでSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)と他社のサービスを比較すると、半額〜1/5程度の初期費用で、この福利厚生サービスを開始できることが分かりました。
また、振込手数料は1回につき54円(セブン銀行ATMの場合)を実現していました。
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)のサービス利用は、導入コストの面も、振込手数料でも、低料金を実現していたのです。
業務運用の効率化
「リアルタイム仮払決済」に必要となるWebアプリケーション「STAFF EXPRESS NEO(スタッフエクスプレス ネオ)」は、基幹システム「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」と完全に連動しています。
実はA社では、以前よりSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)を利用していました。
そのため、従来の給与計算業務との連携もスムースに、STAFF EXPRESS NEO(スタッフエクスプレスネオ)を導入することができました。
その上、仮払い分は自動的に給与計算の控除対象となるなど、日払いのメリット以外にも多くの点で、業務効率や精度面での向上が見込めました。
もしこうした連携が図れない他サービスを使う場合には、実績データのダウンロードや編集作業、取り込み作業などが必要となってしまい、余計な業務が増えてしまう場合もあるのです。
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)のリアルタイム仮払決済機能導入による効果
こうして、STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)のリアルタイム仮払決済機能を取り入れたA社。
実際に導入後にどのような効果があったのでしょうか。
新規スタッフの採用数・応募数アップ
A社ではまず、リアルタイム仮払決済が可能であることを訴求した求人広告を行いました。
すると、従来と比べて応募・採用するスタッフが2倍以上になりました。
採用者の中には、同様の給与仮払制度でこれまでに高い手数料を支払っていた他社スタッフが、この点に魅力を感じて移ってきた、と言うケースも少なくありませんでした。
リアルタイム性に魅力を感じていた潜在層、高い手数料に抵抗感を持つスタッフを、他社との差別化で取り込むことができたのです。
派遣スタッフの満足度向上
直接現金渡しから銀行振込となる変更で懸念であったタイムラグは、実際のところ発生しませんでした。
むしろ365日24時間いつでも即時振込が可能となったことから、スタッフが支店へ来社せずとも、半日〜1日も早く支給されるようになったのです。
アプリを使った仮払申請の操作が非常に簡単であるため、特に問い合わせもありませんでした。
サービス開始から3ヵ月で全体の約60%のスタッフがリアルタイム仮払決済を利用するという結果が表れ、派遣スタッフの満足度は向上したと考えられます。
内勤者の業務効率向上
支店で仮払業務を担当していた内勤者にとっても、大幅な負担軽減となりました。
リアルタイム仮払決済の導入により、派遣スタッフによるクラウド上での作業報告後、勤怠入力の支給確認にチェックするだけで、振込が完了してしまいます。
従来のカウンター払いの作業と比べると作業負荷は約75%となり、改善が見られました。
現金取り扱いの煩わしさからも解放され、その他の業務効率も格段にアップしたことで、内勤者の残業時間は格段に減りました。
今後のSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)活用予定
リアルタイム仮払決済機能を順調に稼働できているというA社に、これからのSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)活用予定を聞いてみました。
▼A社の今後の予定
現在、勤怠報告に「NEO勤怠申請」を利用していますが、スタッフ本人の自己申請のため、作業報告書をメール、FAXもしくは郵送してもらってから、支給確認を行っています。
今後は、さらなるスタッフの満足度を向上させるため、振込期間を短縮していくことが課題です。
「NEO」には「NEO勤怠画像申請」という勤怠申請と一緒に作業報告書をカメラに撮って勤怠申請に添付するサービスがあるので、これを利用していきたいと考えています。
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)の様々な連携機能をつかえば、さらなる業務効率の改善、派遣スタッフの満足度向上が見込めそうですね。
本導入事例から学ぶ、人材派遣管理システムの必須条件とは?
では、A社が成し遂げた課題解決と業務改善の事例から、ポイントとなった人材派遣管理システムの条件を、おさらいしてみましょう。
リアルタイム仮払決済機能が備わっていること
これまでも給与の前払い、仮払い自体は行われていたにも関わらず、今回の見直しによりリアルタイム性が付加されたことは、最も大きな改善ポイントでした。
派遣スタッフの利便性を考えれば、最寄りのコンビニエンスストアのATMで、いつでも給与が引き出せることは、魅力的なサービスです。
リアルタイムでありながら振込手数料を安く抑えられることも、条件の一つでしょう。
人材派遣会社の業務全体を網羅して管理できること
人材派遣会社にとって、派遣スタッフの労務管理、給与管理はもっとも大事な業務のひとつです。
大事な派遣スタッフと取引先をつなぐ基幹業務の全体が、システムを通じてしっかり管理できることは、関係者に大きな安心をもたらします。
人材派遣にまつわる業務が網羅的に組み入れられたシステムであるかどうかは、事業の業績を左右する大事な観点であると言えるでしょう。
派遣スタッフ向け機能が使いやすいこと
様々な世代、多様なバックグラウンドの派遣スタッフが活躍する現在、従来通りであることは必ずしも良い方に働きません。
IT技術や環境の変化に合わせ、例えば、アプリの使いやすさ、操作の分かりやすさ、確認のしやすさ、欲しい機能が備わっていることなど、派遣スタッフのニーズに沿って機能設計されていることが大切です。
これらは人材派遣会社が差別化されるサービスの中身であり、福利厚生の一貫でもあるため、システム導入でも重視すべき条件でしょう。
まだまだある、STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)の豊富な機能
本記事でご紹介したのは、STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)とNEO(ネオ)が連携した、リアルタイム仮払機能に焦点を当てた事例でしたが、これはサービスの一部にすぎません。
「ネオ」は、派遣スタッフ向けのWebアプリケーションサービスとして、人材派遣会社と派遣スタッフとの『つながり』を強化する役割を担っています。
「ネオ」の主な機能と、できることをあげてみましょう。
- 仕事照会・応募申請:人員募集、採用判定、人員配置がスピーディに。
- スケジュール申請:スタッフの仕事可能日を把握、効率的にキャスティング。
- 契約照会:就業条件明示書の公開〜同意確認が完結。
- シフト照会・勤怠申請・勤怠画像申請:シフト〜勤務実績、エビデンス管理。
- 給与前払・リアルタイム給与前払24:仮払いの申請〜決済までリアルタイムに対応。
- 支給照会:給与明細を公開、照会可能に。
- プロフィール申請:スタッフマスタに連動。
- ドキュメント照会:源泉徴収票のPDF送付にも便利。
- マイナンバー申請:セキュリティリスクを低減。
- ポイント管理:オリジナルルールで福利厚生に運用可能。
- メッセンジャーアプリ:スマホアプリでのコミュニケーション手段として。
これらの機能を、派遣スタッフは、タブレット・スマートフォン・フィーチャーフォンのアプリケーションで操作し、簡単に利用することができます。
派遣会社側では、クラウド上でSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)に連動された情報をリアルタイムに確認したり、提供したりできるのです。
「ネオ」の豊富な機能を利用することで、それぞれの事情に応じた課題解決はもとより、日々の業務の生産性向上、効率化、スピードアップ、精度向上など、様々な改善に役立てることができるのではないでしょうか。
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)の詳細はこちらからご覧ください。
まとめ
A社のリアルタイム仮払決済機能の導入事例では、業務効率の改善はもとより、派遣スタッフの採用率や、満足度も向上させられたことが分かりました。
リアルタイム仮払決済機能のメリットが分かったところで、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
その他にもSTAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)のカスタマイズ機能や便利な連携サービスを使って、さらなる業務改善を目指してみませんか。