紙管理からの脱却!人材派遣業界で競争優位性を高めるための、スムーズ・スマートな案件管理
ここ数年、情報管理は紙からクラウド管理へと移行しつつあり、業務の効率化を図って生産性を高めることは、企業を成長させる一つの要になっているといえます。
一方で人材派遣業界は、雇用や労働に関する事柄を主に扱っていることもあり、現在でも契約などのやりとりを書面で取り交わしている会社は少なくありません。
今回はそのような人材派遣業界の管理業務に着目し、人材派遣管理システム「STAFF EXPRESS」を活用した案件管理についてご紹介します。
また、紙の案件管理から脱却することで人材派遣業界にもたらすメリットや、システムの今後の展望についてもお伝えしていきます。
人材派遣会社の煩雑な案件管理
人材派遣会社の案件管理は、一般的な受注管理に比べてかなり大変な業務です。
その原因には、人材派遣業における取引先との契約内容だけでなく、派遣する期間や人数、部署、業務内容の他、付与されている権限の有無やその範囲など、細かな取り決めがあることが考えられます。また、扱う派遣の種類や件数が多く、注文形態(電話、メール、FAXなど)が様々であるため、案件管理はさらに複雑になってしまいます。
人材派遣会社にとってスピード感のある対応は、他社との差別化や顧客満足度アップに関わるとても重要な要素です。
ところが、案件管理が煩雑であればあるほどリアルタイム性に欠けるため、スピード感のない対応に繋がってしまいます。また、以下のようなリスクも大きくなると考えられます。
例えば、案件情報やクライアント情報がバラバラに管理されていることで、案件管理業務が属人的になってしまうケースです。
担当者の負担が増加するだけでなく、担当者の不在時や人事異動・離職などがあった場合、他に案件管理を行える人がいないために、仕事の進行そのものに支障が出てしまいます。
様々な経路から案件を発注されることで、受注漏れなどのトラブルが起きる可能性もあります。
STAFF EXPRESSなら、案件に関する情報や発注経路を一元化し、人員配置までスピード感のある対応が実現できます。さらに、案件管理業務の平均化が可能になり、受注漏れのリスクも減らすことができます。
STAFF EXPRESSの案件管理機能について
STAFF EXPRESSは、人材派遣に特化した一元管理可能な根幹システムのため、派遣・紹介・請負・業務委託といった人材ビジネス全般はもちろん、内勤者の管理までカバーすることが可能です。ここでは案件管理の主な機能についてご紹介します。
STAFF EXPRESSでは、クライアント向け付帯Webサービス「PARTNER」を利用することで、クライアントとの案件管理・契約管理・請求管理などを一元管理できます。
また、案件の発注はPARTNERから簡単に行えるため、電話やメールなどの様々な注文形態を一本化できます。
PARTNERから発注された案件は、人材派遣会社のSTAFF EXPRESSへリアルタイムに取り込まれます。
発注が行われた時点で、人材派遣会社の担当者へ自動でメール通知を飛ばすこともできるので、スムーズな情報共有が可能です。
人材派遣会社の担当者は、取り込まれた内容をSTAFF EXPRESSから確認して登録ボタンを押すだけで案件の登録が完了します。
STAFF EXPRESSで案件管理を行う際の詳しい操作方法を、動画でわかりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
案件管理機能の詳細
ここではSTAFF EXPRESSで行うことのできる案件管理機能の詳細を、簡単にご紹介します。
・内勤社員の管理も行うことができる
STAFF EXPRESSでは様々な雇用形態に対応しているため、派遣スタッフだけでなく内勤社員の管理を行うこともできます。
細やかな権限設定が行えるため、「内勤社員管理のための案件を労務関係者以外に見せたくない」「派遣スタッフの案件は営業でも見れるように」など様々な権限設定が可能です。
人材派遣管理システムとしてだけではなく、会社全体を管理するシステムとして利用できるため、別々のシステムをいくつも導入したりそれぞれの操作を覚えたりする手間がありません。
・ワークフローの運用が可能なため、承認者を限定するなど内部統制を図ることができる
「社員が案件を申請し、上司が承認を出す」といった運用をしている会社もあるかもしれません。STAFF EXPRESSでは、ワークフロー機能が搭載されているため、内部統制も簡単に行うことができます。
・長期、短期、シフトの人員配置に対応
さまざまな勤務形態に対応しているため、多様な働き方がある派遣の仕事にも柔軟に対応できます。
・スタッフの配置状況など、案件に関わる内容を一つの画面内で確認できる
STAFF EXPRESSでは、1つの案件に関わる契約書の状況、配置スタッフ、スタッフの給与、案件に関わる連絡の記録など、案件の関連情報を[案件入力]の画面一つで網羅的に把握することが可能です。また、教育の記録についても同画面で登録することができます。
情報が集約されていることで、効率的に業務を進められます。
・登録済みの案件は多様な検索条件から簡単に検索できる
案件がSTAFF EXPRESSに集約されることで、大量の案件から見たい案件を容易に探せなくなるのでは?という不安があるかもしれませんが、多様な検索条件が用意されているので安心です。
また、検索条件を保存しておくことも可能なので、「自分の担当案件だけ見れるようにしておく」といった使い方もできます。
・派遣事業報告書などの法令帳簿にも対応
登録した案件データをもとに、派遣事業報告書などの法令帳簿を出力できます。登録データをもとにほぼすべての項目を出力するので、帳簿作成の手間から解放されます
・契約書の自動作成
法令帳簿同様、各種契約書も登録した案件データをもとに自動で出力するため、契約書の作成時間は削減されます。
クライアント向けの契約書であれば「PARTNER」に、スタッフ向けの契約書であればスタッフ向けWebサービス「NEO」にアップロードし、Web上で同意を取ることができます。紙管理を行う必要は無くなり、印刷コストや管理場所が不要になります。
契約に関する機能は別コラムにて紹介していますので、参考にしてみてください。
人材派遣での労働条件の明示・労働者派遣契約を電子化!コスト削減・業務効率化で競争力を上げるためには?
・マッチング業務の負担を軽減
STAFF EXPRESSでは、各案件にマッチング条件を設定することができます。STAFF EXPRESSに登録されているスタッフから、マッチング条件に合うスタッフを抽出するため、マッチング業務の負担が軽減できます。
案件の情報は、スタッフ向けWebサービス「NEO」に公開することができますが、マッチング条件に合致したスタッフへのみお仕事を公開することができます。これにより、ミスマッチを防ぐことができます。
マッチングについては別コラムで紹介していますので、気になった方はぜひご覧ください。
アンマッチを防いで業務の高速化を!人材派遣会社のNewマッチングスタイル
人材派遣会社とクライアントのメリット
STAFF EXPRESSによる案件管理を行った場合のメリットについて、それぞれの視点から見てみましょう。
人材派遣会社のメリット
STAFF EXPRESSで案件管理を行った場合のメリットは、大きく3点あります。1つ目はクライアントからの発注がリアルタイムで反映できる点です。
従来の案件管理の場合、管理ツールへの転記作業が必ず発生するため、受注を受けてから実際に手配を行うまで、ある程度の時間がかかってしまいます。
STAFF EXPRESSを運用することで、受注から手配までの時間が大幅に削減され、業務の効率化が実現できます。
2つ目は、案件を受注してから人員配置がスムーズに行えることでスピード感ある対応ができるため、クライアントからの信頼度もアップし、売上創出の仕組みが生まれます。
3つ目は、既にお伝えしている通り、派遣スタッフの管理だけでなく内勤社員の勤怠管理を行える点です。一元管理することで、「派遣スタッフはシステムを使って管理するのに、内勤者は別システム・もしくはExcelで管理する」ような煩雑さがなくなります。
情報の一元化が可能になるとともに、業務の属人化防止にも役立つのではないでしょうか。
クライアントのメリット
クライアント向けの付帯システムであるPARTNERは、直感的に使用できる操作感の為、システムの使い方に不安を感じるような人でも簡単に発注作業を行えます。
またPARTNERを使った発注の場合、案件が確認されたかをシステム上にて一覧で確かめられる他、24時間365日いつでも発注が可能です。
メールやFAXのような確認漏れが発生することもありませんし、発注したいのに電話がつながらないといったトラブルも起きないため安心して活用できます。
両者のメリット
PARTNERは使用者ごとに権限設定が可能です。PARTNERでは、案件管理のほかにも機能があるため、「発注担当者には発注画面だけを見れるようにしたい(他の画面は見れないようにしたい)」状況が発生することもありえます。権限設定が可能なため、必要な情報を必要な方へという運用が可能です。
これまでメール・電話・FAXで受けていた発注はクラウドへ完全移行するため、情報の一元化や紙からの脱却を、双方が一気に実現できるといったメリットもあります。
導入後の運用方法の違い
ここで、従来の案件管理と、STAFF EXPRESSを導入した場合との運用方法の違いを、具体例をもとに比較してみましょう。
以下は人材派遣会社で「1日平均10案件の発注」を受けており「担当する内勤者の時給が2,000円」だった場合の比較です。
従来の運用
まずは、従来の運用方法で受注を行った場合にかかる人件費と、管理面のポイントを見てみましょう。
1.受注対応にかかる人件費
クライアントからの案件を受注しますが、その発注形態は電話やFAX、メールなどさまざまです。
電話で受けた場合、1案件につき最低5分かかると仮定すると、10案件分の工数にかかる時間は50分=約0.83時間です。
内勤者の時給は2,000円ですから、電話対応にかかる人件費は2,000円×約0.83時間=約1,666円です。
2.情報登録にかかる人件費
案件を受注したあとは、案件情報をExcelに転記する作業を行わなければなりません。
1案件を転記するのに早くても5分かかると仮定した場合、10案件すべての転記作業を終えるまでにかかる時間は50分=約0.83時間です。
人件費にした場合、2,000円×約0.83時間=約1,666円として算出できます。
つまり10案件分の受注から情報管理にかかる工数は、合計約1.7時間、人件費としては約3,332円と仮定できます。
・管理面のポイント
案件の発注情報や進捗は、主にExcelで管理を行うという会社が多いのではないでしょうか。
FAXを使用していれば、紙での保管という場合もあるかもしれませんし、Excel管理の場合も、保管の際はプリントアウトしているというケースもあります。
このようなアナログベースの管理方法では、紙代、印刷代、書庫代、保管スペースなど様々なコストがかかってしまいます。
また次のようなリスクも考えられます。
・電話での聞き取り不足、聞き取り間違いによる誤った内容での案件受注
・メールやFAXの見逃しによる受注漏れ
・打ち間違いなど、転記時の入力ミス
・紙、Excelなど管理が複数にわたることによる煩雑化、発注情報の紛失
STAFF EXPRESS導入後の運用
次にSTAFF EXPRESSを導入・運用した場合の人件費と、管理面のポイントです。
1.受注対応にかかる人件費
案件をSTAFF EXPRESSを活用して受注した場合、クライアントがPARTNERから登録してくれるため、受電対応やFAX・メールの確認作業は不要になります。
受注対応にかかる工数が丸々削減されるため、人件費は0円です。
2.情報登録にかかる人件費
STAFF EXPRESSを活用した案件情報の登録作業は、2ステップで完了します。
まず人材派遣会社は、STAFF EXPRESSに取り込まれた受注情報を確認します。
内容を確認した後は、登録ボタンを押して完了です。
受注内容を手作業で転記する必要がなく、登録ボタンを押すだけで案件に登録することが可能なため、1件の作業時間に1分かかると仮定しても10案件で10分=約0.17時間です。
人件費に換算すると、2,000円×約0.17時間=約333円です。
このように、STAFF EXPRESSを運用した場合の10案件分の受注管理にかかる時間は合計10分(0.17時間)で済むうえ、人件費は約333円ですから、従来の運用方法と比較すると8割以上のコストカットが実現可能といえます。
・管理面のポイント
案件情報はすべてSTAFF EXPRESSにまとまるため、煩雑な管理から脱却できることはもちろんですが、あとから欲しい情報を探す際も、検索機能を使って簡単に見つけることができます。
従来の運用方法では削減が難しかった紙代、印刷代、書庫代、保管スペースなどのコストカットも楽に実現することが可能です。
そのため従来の運用で上がっているようなリスクも、問題なくクリアできます。
もちろん導入に当たっては、STAFF EXPRESSやPARTNERの利用料金が別途発生しますが、上記の運用比較を見ても費用対効果が見込めるため、利用しない手はないといえます。
今後のアップデート予定・まとめ
STAFF EXPRESSは継続的なシステムのアップデートを行うことで、常に運用の利便性を高めたサービスが提供できるよう努めています。
今後のアップデート内容から一つご紹介すると、PARTNERから発注された案件がダイレクトに案件として登録されるようになる予定です。
現在のSTAFF EXPRESSでは、「内勤者がPARTNERから申請された内容を確認し、申請内容の登録ボタンを押す」ことで、正式な案件として登録されます。しかし、このアップデートを行うことで、ボタンを押すことなく案件登録が自動で完了するため、リアルタイム性がさらに向上します。
登録作業が完全に自動化されるため、よりリアルタイム性の向上が見込めます。
従来のまま紙管理を行っている人材派遣会社の方は、ぜひこの機会にSTAFF EXPRESSによるスマートな案件管理を実現し、競争優位性を高めてみてはいかがでしょうか。